名水の郷として知られる後志の京極町。
乱開発の防止と水源維持のため、町は町内の民有地を１億１６００万円で購入することを決めました。

羊蹄山のふもとに広がる京極町。
雨や雪がろ過されて湧き出る「ふきだし湧水」など名水の郷として知られています。

■加藤諒也記者「町が取得を予定している土地は道路に面していて、木が生い茂っている場所もあります」

京極町が購入を決めたのは、川西地区にあるおよそ１１．６ヘクタールの民有地。
この近くには１日あたり４万トンほどの水が湧き出す水源地があり、今回購入する土地も水源地である可能性が高いということです。

町内の企業が所有するこの土地の購入費用はおよそ１億１６００万円。
きのう（１８日）行われた町議会の定例会では「費用が高すぎる」「議論を深めるべき」といった声も上がり、賛成票と反対票が真っ二つにわかれましたが、最後は議長の裁決で購入が決まりました。
背景には、羊蹄山麓で起きている様々な問題があります。
倶知安町では別荘開発の工事現場で無許可で大規模な伐採が行われていたことが発覚。
さらに・・・

■大原麻潤記者「ニセコ町の中心部からおよそ５キロ。木々が生い茂るこの土地はニセコ町が所有するものです」

水源地ニセコ町は人口のおよそ８割に給水可能な水源地の所有権を巡り、土地の元所有者から訴えられる事態となり、一審で敗訴。
現在は高裁で争っています。

こうした状況に危機感を持ったと言う京極町の佐古岡秀徳町長。
先手を打って土地の購入を決めたといいます。

■京極町・佐古岡秀徳町長「まずは町で買うことが乱開発なり水を守るということで言うと防げる一番の方法だと思っていますので、買わないで後悔するよりもまずは買うというところでかじ取りをした。やはり今後、京極が手遅れになる前に、何か手を打つべきかなと」

１億円を上回る税金を投入する点については、このように話します。

■京極町・佐古岡秀徳町長「どのくらいの金額が妥当かというのは正直判断はつかないところはあるかと思いますが、私はこの金額くらいでやれるのであれば、極端な話、所有者が他の方に売ってしまうというリスクを考えたときに私の気持ちとしてはいち早く購入したい早く決めたいというのが心情」

町は来年３月までに土地の購入手続きを終え、当面の間は環境保全を進めていくとしています。