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北海道内で相次いだメガソーラーと地元住民との軋轢 解決策は? 再生可能エネルギーの未来はどうなる?

北海道内では今年、メガソーラー建設をめぐって地元住民ともめるケースが各地で相次いでいます。再生可能エネルギーの未来は今後、どうなっていくのでしょうか。

高橋海斗記者
「広大な土地のすぐ奥には住宅街が広がっています。今この場所でメガソーラーの建設が計画されています」。

メガソーラーの建設計画が持ち上がっている根室市月岡町。自然電力グループ(福岡)が44ヘクタールほどの土地に、4万~5万枚の太陽光パネルを設置する計画です。

住民
「住民との合意形成はどのようにお考えですか」。

11月に行われた地元住民向けの説明会。参加者からは、自然環境や景観への影響を懸念する声が挙がりました。

自然電力・長谷川雅也社長
「われわれは最後まで、地域の方々の声を聞いて対応を続けて、より良い事業をつくっていくということには、覚悟を持って進めてゆく」。

根室市内でのメガソーラー計画はこれだけではありません。
西浜町では、四ツ谷エナジー(東京)が住宅街にほど近い草地に、およそ3万8000枚のソーラーパネルを設置する予定です。

メガソーラー反対の会・近藤瑠美代表
「国の法整備、法規制を強化するという流れをみましても、国民や市民・住民の意見をみましても、かなり問題もありますし、反対意見も多いので撤退していただきたいと思います」。

9月に設立された根室市の市民団体「メガソーラー反対の会」代表の近藤瑠美さん。市内2つのメガソーラー建設計画について、事業の見直しを求めるおよそ2万4000人分の署名を集め、市に提出しました。

こうした状況を受けて根室市は、市議会に太陽光発電施設の建設を規制する条例案を提出。そして19日の市議会。

「原案の通り可決することにご異議ありませんか」、「なし」

条例案が全会一致で可決されました。条例では、建設の条件として「住民の合意」が明記されていて、西浜町と月岡町のメガソーラー建設も住民の合意が必要となります。

根室・石垣雅敏市長
「しっかりと説明責任を企業として果たす。将来的にも責任を持つ。そのことが市民の皆さまにどう受け取られるのか、しっかり心して説明責任を果たしてもらいたい」。

白老町自然再生可能エネルギー連絡協議会・大西潤二事務局長
「中止です。中止」。

道内では今年、メガソーラー建設をめぐる事業者と地域住民との対立が各地で相次いでいます。胆振の白老町で11月に開かれた説明会では、事業者側が報道機関の動画撮影などを断ったことに住民らが反発。2時間近く紛糾し、参加予定者のほとんどが退席する事態となりました。

法令違反も相次いで発覚しています。

釧路湿原周辺のメガソーラー建設をめぐっては、日本エコロジー(大阪)による土壌汚染対策法違反など3つの法令違反が明らかになり、道が工事の中止を勧告。現在、工事は一時中断しています。日本エコロジーは一方、釧路市内14カ所で新たな計画を進めようとしています。
その一つの昭和地区では、住民からの合意が得られていないなか、19日午前から施工業者による工事に向けた除雪作業が始まったということです。

さらにーー。

香山芽郁記者
「奥に見えている鉄塔2本の間に農地があるんですが、そこにメガソーラーが建設される予定です」。

道は17日、三笠市でメガソーラー建設を計画しているAC24(東京)に対し、無許可工作物を撤去するよう行政指導を行いました。地盤調査用に設置した複数の杭を放置していたということです。AC24は、地元住民への説明会もまだ開いていませんでした。

地元住民
「周りの環境に最低限留意していただくということ、僕らが納得する前に勝手に工事をしないでほしい」。

住民によりますと、現場では19日午前から、放置されていた杭を撤去する作業が行われているということです。

次々に明らかになる、メガソーラー建設をめぐる問題。再生可能エネルギーに詳しい専門家は、メガソーラー建設に適当な、広く何もない土地が道内で確保できにくくなっていることが影響していると指摘します。

北星学園大学経済学部・藤井康平専任講師
「最初のころは、やりやすいところでメガソーラーを開発していた。遊休地とかそういうとこでやっていたので、そこまで問題は大きくなることが北海道でもなかったと思う」、
「だんだんと進んでいくと適地がなくなっていって。『自然を壊す形でメガソーラーを開発するのは何事か』ということ、釧路の問題が今年引き金になって、全国的にも、道内ではすごく問題になってきているのかなと」。

また、再生可能エネルギーを今後増やしていくには、地元住民にもプラスとなる仕組みや環境を守るルール作りを国が主導すべきだと話します。

北星学園大・藤井講師
「大規模な再生可能エネルギーも一定程度は必要なんですけど、そのときにやっぱり地域との軋轢を生まないような、共生できるようなやり方はどうしても必要」、
「そこは国として、例えば地域に利益が還元できるようにしておくとか、無謀な開発はできないように制度をきちんとする、アセスメントをさらに強化するとか、そういうことは必要になる」。

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