高齢化進む北方領土元島民の経験を後世に 伝え続けるための「伝承者」制度を検討
2026年 1月22日 17:38 掲載
平均年齢90歳と高齢化が進む北方領土の元島民。
当時の経験を後世に伝え続けるために、元島民や後継者ではない人が伝承していく制度の導入が検討されています。
■色丹島出身 得能宏さん「ソ連の国旗を掲げた駆逐艦、輸送船が大砲を撃って入ってきた」
戦争の経験を後世に伝える「語り部」。
色丹島で生まれた得能宏さんは北方領土問題を風化させないため、語り部の活動を始めました。
得能さんら元島民が島を追い出されて80年。
元島民の平均年齢は90歳になりました。
50年以上にわたって活動をしてきた得能さんも今年で92歳。
高齢化で「語り部」を担う元島民の数は減り続けています。
■色丹島出身 得能宏さん「語り手そのものが減ってしまうのは自然現象として当然。領土問題は100年も200年も果てしなく続く、国家間の闘争問題でもある。そのためにはきちんとした歴史認識を国民が持っていないといけない」
北方領土の元島民らでつくる千島連盟によりますと語り部の活動をしているおよそ70人。
学校での授業や修学旅行での講演などの依頼が多くある一方、人材の確保が長年の課題でした。
その課題を解決するため千島連盟では新たな制度の導入が検討されています。
■千島連盟 森弘樹専務理事「元島民や後継者の方以外の第三者の方々に幅広く協力をいただいて、北方領土の暮らしや記憶を幅広く伝えていく仕組みを作りたいと思った」
「伝承者制度」とは元島民や後継者以外の第三者が北方領土の歴史や暮らし、元島民の記憶を伝承者という立場から語り継いでいく制度のことです。
広島市では2012年から「被爆体験伝承者養成事業」が始まっていて、現在は260人ほどの伝承者が活動しています。
■千島連盟 森弘樹専務理事「語り部という形で当事者の思いを伝えていくということで、若い世代にも伝わるものがあるんじゃないかなと思う」
元島民として語り部の活動を続けてきた得能さん。
この制度でより多くの国民が領土問題に関心を持ってくれるのではと期待しています。
■得能宏さん「元島民に関係のない国民がやるということは違う次元から見ると変わった説得力があるのかなと思う。国民全部の問題として僕は島民以外の人の問題でもあるわけだから、説得力が非常にあると思う」
千島連盟は早ければ2027年度にも伝承者の募集を開始する予定です。



























