腹を割きイクラ取り出し魚体を投げ捨てる様子がカメラに…巧妙化するサケ密漁のパトロールに密着 北海道
2026年10月 5日 19:07 掲載
不漁と高騰の裏で
横行する「サケの密漁」
室蘭海保「室蘭海上保安部だ!動くな!何をしていた」
貴重な資源を守るため、新たな監視体制が動き出しています。
HTBは密漁が絶えない現場で行われたパトロールに密着。
取り締まり担当者「この先ピカピカしているの関係ないの?」
なぜ、密漁は増え続けるのか。
現場の最前線を追いました。
旬を迎えた秋の味覚「イクラ」。
しかし、不漁に伴う価格高騰の陰である犯罪が増えつつあります。
それはサケの「密漁」です。
次々と釣り上げられるサケ。
先月9日、幕別町の川岸で撮影されたドローンの映像です。
サケを叩き、腹を割いて、卵を取り出した後、魚体は川に投げ捨てる様子も。
およそ2時間で30匹から50匹ものサケを獲ったとみられています。
道・漁業取締船「ほくと」内村嘉幸船長
「ここでどの時間に釣れば効果的に釣れるというのが彼らは理解していると思います」
「漁業者の方々の生活を脅かしている問題なんでとても許せないなと思いました」
密漁防止の最前線に立つ道の漁業取締船「ほくと」の内村嘉幸船長。
巧妙化する密漁を防ぐためドローンによる監視を取り入れましたが
そこには従来のパトロールにかかる負担を少しでも軽減する狙いもありました。
道・漁業取締船「ほくと」内村嘉幸船長
「犯行を見つけるって非常に難しい。何日も何時間も例えば張り込んでいるというのは非常に捜査員の負担にもなりますし厳しいもんだなと思ってますのでドローンであれば操縦者と監視者の2人ぐらいで見てることもできますし見た後にどういう対応を取るのかその傾向もわかってくる」
高橋海斗記者リポート
「密漁行為があった川の上流には資源保護のために鮭を捕獲する施設があります
ここで採れた鮭を増殖して資源の維持を図っているということです」
9月中旬までの道内のサケの漁獲量は5年前の同じ時期にはおよそ492万匹でしたが、今年はおよそ161万匹にとどまっています。
十勝釧路管内さけ・ます増殖事業協会
新出幸哉専務理事「今年に限っては非常に全道的に水揚げと回帰が悪いもので
どこの河川も今減少している状況。捕獲場までのぼってきているもので
4年かかってそれを自分の利益のために取るというのはとにかく辞めてほしい
というのが我々のお願い」
近年、漁業者による密漁の検挙数は減少傾向にあります。
一方で「漁業者以外」による密漁は増加傾向が続いています。
専門家はサケの価格高騰が原因の一つと指摘します。
北海道大学大学院水産科学研究院
佐々木貴文教授
「サケの価格上昇といった収益化容易な外部環境が形成されれば複数人で短時間に大量採捕することが密漁者にとっても取り締まられるリスクを低減させることにもなりますので組織的計画的な犯罪へと変化しやすい環境が形成されてきていると考えられます」
「ただしその密漁を大量に大規模に行うためにはそれを成立させるための
流通先の確保もポイントになってきますので密漁の現場だけではなくて流通経路の解明といった全体像を見ていくこともポイントになると思います」
フードをかぶり釣り竿のようなものを持って現れた不審な人影。
これは去年9月、鶴居村の川に設置された防犯カメラの映像です。
近くにはサケの孵化場があり、釣り上げたのはサケとみられています。
道・漁業取締船「ほくと」内村嘉幸船長
「針から外す様子を見ても慣れている感じです」
刃物のようなものを持ち腹を引き裂き、取り出した卵でしょうか。
袋に入れているのがわかります。
今度は不審な2人組が現れました。
この日は密漁することなく立ち去ったとみられています。
道・漁業取締船「ほくと」内村嘉幸船長
「この大きい袋を持っているので卵狙いというよりも魚体そのまま/例えば網ですくったりだとか網を仕掛けたりだとか引っ掛けたりしても全部持っていくつもりでこういう形でいるのかな」
「ここに再び現れるかもしれない」
私たちは密漁現場の夜間パトロールに密着しました。
この日はさけ・ます増殖事業協会や道の漁業取締船の関係者らが集まりました。
ドローンには暗闇の中でも密漁者を探せるように特殊なカメラが搭載されています。
担当者
「ライトをつけて犯行に及ぶことが多いのでその光源を
探しているような形です専用のカメラなのでライトは必ず映るようになっているので」
「先月動きがあったところを探しています」
密漁者が現れやすい夜間。
わずかな異変も見逃すまいと緊張が走ります。
道の担当者ら
「車とかない?」「今のところはないです」
時間を変えながら、ドローンは何度も空を飛びます。
道の担当者ら
「この先ピカピカしているの関係ないの?」
「どこですか?」「家の左側の」
この日のパトロールは午後8時から深夜まで続けられましたが密漁者が姿を現すことはありませんでした。
道・漁業取締船「ほくと」内村嘉幸船長
「根気強くというか密漁者がいなくなるような取り組みをまあ警察機関と合同でやったりとか漁業者の人たちが困ってますので寄り添って取り締まりを続けていきたいと思ってます」
しかし、その翌日。
またもや現場に密漁者とみられる複数人の人影が。
網のようなものを使いサケを獲っているのが確認できます。
収まることのない「サケの密漁」。
密漁者との戦いは続きます。



















