赤字8区間の協議本格化 JR北海道と自治体が模索する「黄線区」の維持と持続可能な交通体系とは?
2026年10月28日 20:24 掲載
JR北海道が赤字線区の「上下分離方式案」を撤回してから1カ月。おとといから国や道が主体となり線区ごとの議論が始まりました。
岩見沢市企画財政部 森勝哉主幹)
「それぞれの市・町でできることとできないことはありますよねというのをJR・国と4者で確認した」。
赤字8区間いわゆる「黄線区」の抜本的な改善策の国への提出まで半年を切る中、希望は見いだせているのでしょうか?
国交省道運輸局 頼本英一鉄道部長)
「利用促進策、コスト削減、関係者はどのような役割を今後果たしていけるのかといったことについて、いろいろ議論していただいて、その認識を共有していただきたい」。
おととい(26日)から始まった赤字8区間、いわゆる「黄線区」の運営のあり方について話し合うワーキンググループ。
国土交通省や道をはじめ、JRや沿線自治体の代表が集まりました。
JR北海道が単独では維持困難とする「黄線区」は宗谷線や花咲線などの8区間です。
今回の議論ではJRと自治体がこれまでの取り組みについて話し合い、釧網線では観光列車などについて意見が出ました。
釧路市総合政策部 大物義高さん)
「しっかりと観光という視点で人を増やしていきたいという思いがあるので、そこの軸というのは全然ぶれないのかなと思っています」。
一方、今後の議論の大きな焦点となるコスト負担については話し合われませんでした。
線区ごとの議論は来年の2月までにあと2回程度。
残された時間は決して多くありません。
「黄線区」のひとつ室蘭線の沼ノ端・岩見沢間。
もともと室蘭線は明治25年に空知で取れた石炭を室蘭港に運ぶために整備されました。
中川宙大記者)
「先ほど追分駅から列車が出発しましたが乗り降りする人はあまり見られませんでした。昨年度の輸送密度は303人と室蘭線は厳しい状況となっています」。
石炭産業の衰退を経て利用者が減少した室蘭線。
昨年度は100円の収入を得るために1156円の経費がかかりました。
地元の人)
「いやー(利用)しないですね。車に乗ってしまうので、なかなか」。
駅の利用者)
「自分の足で階段上がって降りないといけないので、そういった部分ではちょっと年配の方とか利用するのがちょっと難しいのかなと」。
しかし室蘭線は旅客だけでなく農作物を乗せた貨物列車も走行し、また地元の高校生も通学のために利用しています。
地元の高校生)
「遊びたいとか帰りたい時に本数が少ないと時間が限られちゃうのでもっと本数を増やして好きな時に行けたり帰れたりするようになってほしいなって思います」。
室蘭線の魅力発信に力を入れているJR室蘭線活性化連絡協議会も鉄路は地元に欠かせない存在だとしています。
JR室蘭線活性化連絡協議会 森勝哉事務局員)
「沿線の住民の方々の通勤通学の足という特徴がありますのでそこを守っていくっていうのが第一優先するべきところかなと思っています」。
一方、専門家は室蘭線の利便性に疑問を投げかけます。
桜美林大学ビジネスマネジメント学群 戸崎肇教授)
「函館から札幌までの路線という意味ではこの路線というのは生きてくると思うんですが(沼ノ端・岩見沢は)そのルートから外れてますのでやはりかなり利便性が問われるところだと思います」。
さらに鉄道存続には多額の資金が必要で経済的にも地元に大きな負担がかかってくるだろうと指摘します。
桜美林大学ビジネスマネジメント学群 戸崎肇教授)
「鉄道を残すということが絶対条件ではないと思います。やはりいろんな策を比較検討して果たしてどれが一番地域の実用に合ったものなのかということをしっかり考えていかなければいけないと思います」。
残り半年を切った抜本的な改善策の国への提出。期限までにどのようにまとめられるのでしょうか。


















