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移植医療を漫才に!?お笑いコンビ「アップダウン」の新たな挑戦 伝えたいメッセージとは

アップダウン
「おはようございます」。

北海道出身のお笑いコンビ「アップダウン」。この日、新しい漫才を初披露します。そのテーマは「移植医療」です。

これまで原爆や特攻隊、北方領土などをテーマにした漫才や芝居を手掛けてきた2人。この活動は注目を集め、今回は北海道移植医療推進財団から啓発のために新作の漫才を作るオファーを受けました。

北海道大学病院 臓器移植医療部・診療教授 嶋村剛部長
北海道大学病院 臓器移植医療部・診療教授 嶋村剛部長

7月、ネタ作りのため阿部さんが訪ねたのは臓器移植を専門とする北大病院の嶋村剛先生です。

北海道大学病院 臓器移植医療部・診療教授 嶋村剛部長
「亡くなった方からの臓器提供を待つが、待ちきれなくてほとんどの方が亡くなっていったということをずっと見てきたので、これは進めなきゃいけないなと思いますけど」。

臓器移植の技術はあっても海外に比べ臓器提供数が極めて少ない日本。臓器提供に関する意思表示をしている人も少なく、内閣府の調査では2割ほどにとどまっています。

アップダウン・阿部浩貴さん
アップダウン・阿部浩貴さん

アップダウン・阿部浩貴さん
「具体的に一番伝えたいところって元気なうちに意思表示とかそういったところですかね」。

北海道大学病院 臓器移植医療部・診療教授 嶋村剛部長
「とにかくみんなで一緒に考えませんかということが一番かなというふうに思います」。

初めてのテーマに悩むなか、これまで取り組んできた漫才との共通点も見えてきました。

阿部浩貴さん
「僕らが今やっている戦争、特攻隊を題材にしたものは、どういうふうに生きてどういうふうに未来につないでいったか。そういうメッセージがあるので近しいところはあるのかなと」。

移植医療に関する正しい知識を身に着けることから始まったネタ作りにかかった期間は、およそ4カ月。

アップダウン・竹森巧さん
アップダウン・竹森巧さん

アップダウン・竹森巧さん
「伝える漫才なので、自分たちがふに落ちた状態じゃないと伝えきれないというところがある」。

医学的に間違いがないか、最終的な確認ができたのは本番2日前でした。

北海道大学病院 臓器移植医療部・診療教授 嶋村剛部長
「予想以上に良かったです。そんなこと言ったら失礼だけど。『(移植は)いくつかに分類されます。例えば…』と言って、『臓器の移植、組織の移植、細胞の移植、輸血なんかも移植の一つなんです』。という風に
言っていただけると」。

竹森巧さん
「これを本番までにはもう少しブラッシュアップして、合わせて」。

阿部浩貴さん
「やってみないとわからないというところはあるので、ブラッシュアップしていきます」。

迎えた初披露当日。本番ぎりぎりまで稽古を続け、いよいよ2人の出番です。2人の思いは伝わるのでしょうか。

アップダウン
「どうも~アップダウンです。よろしくお願いいたします」。

阿部浩貴さん
「例えば僕が心臓移植を必要としている。竹森、お前の心臓俺に移植してくれ」。

竹森巧さん
「ちゃんと返せよ」。

阿部浩貴さん
「軽いな、おい。スマホの充電器か」。

笑いで観客を引き込みつつ、漫才は徐々に移植医療の核心へ。

阿部浩貴さん
「例えば僕が脳死になってしまった。ドクターが竹森君に言います。竹森さん、阿部さんは脳死です。どうされますか?」

竹森巧さん
「阿部は、もう…。それでは先生、僕とコンビ組んでください」。

阿部浩貴さん
「そういうことじゃねえよ!臓器移植するかどうしますかって聞いてるんだよ」。

竹森巧さん
「そんなの僕に聞かれたって答えようがないでしょ」。

阿部浩貴さん
「俺だったらどうして欲しいと思う?」

竹森巧さん
「それは阿部に聞かないとわかんないよ」。

阿部浩貴さん
「本人じゃないとわからない。本人がどういう生き方を望むか、もしもの時どういう医療を望むのかを前もって話し合っておきましょうということなんですよ」。

竹森巧さん
「コミュニケーション、本当に大事だね」。

阿部浩貴さん
「脳死となってしまったら家族は非常に悩みます。延命をするのか。臓器提供には抵抗がある。正解、不正解はないんです。でもそのような話し合いが行われていれば、家族の判断も後押しができるということなんです」。

竹森巧さん
「家族の負担も減りますよね」。

阿部浩貴さん
「臓器提供というのはどのように生きて、どのように最期を迎えるか、その選択肢の一つなんです。臓器提供しないという選択ももちろん尊重されます。でも本人と家族で意思を共有する。これが大事なんです」。

そしてステージは終盤。阿部さんが読み上げたのは、脳死状態となった5歳の女の子の父親が娘の臓器の提供を決めた時に書いた手紙です。

阿部浩貴さん
「目を背けたくなるような現実を前に私たちはくーちゃんの臓器を提供するという人生で最もつらく大きな決断をしたのです。臓器提供は人の命が失われることが避けられなくなった際に初めて生まれる選択肢です。よく命のリレーと表現されますが、私は命そのものがリレーだと考えています。誰もが誰かからつながれた命を受け取って生きている。だからこそ自分の命を大切にし他者の命にも思いを寄せていくことが肝要ではないでしょうか」。

観客
観客

観客
「本当に笑いになるのというところはあったが、うまく笑いに取り入れられているし嫌味なしに普通に笑うような笑いだったのでそれはすごく良かったなと」。

観客
「最高でした。面白かったです。移植というものを改めて考えるのに入り口として入りやすく思えた」。

阿部浩貴さん
「見てくださっている方の反応も、ステージで感じることができたし、嶋村先生からもよく勉強されてということを言われたので、情報もちゃんと届けられたなと」。

竹森巧さん
「期待に応えなきゃという思いで作ったので、それを良かったと言ってもらえたなら本当に良かったし、今後もやりたいと言っていただけるなら誠心誠意頑張りたい」。

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