「無医村」の危機!?村唯一の医療機関で奮闘する女性医師【マチの分岐点】
2026年11月 4日 11:20 掲載
自然が豊かで「日本で最も美しい村」と言われる、道東の鶴居村。国の特別天然記念物であるタンチョウが息づくこの村でおよそ2400人が暮らしています。
内科などの診療を行う、村で唯一の医療機関「村立鶴居診療所」。村の医療の要を担うこの診療所で所長を務める竜野真維さん43歳。
鶴居診療所 竜野真維 所長
「ちょうど私が一つの拠点を決めて長くできるところを探してたっていう時期と鶴井村さんが人を探してた時期が重なって私同等すごい好きな場所でご縁もあって行きたい場所だったのでうまくタイミングがあったっていう感じかなと思いますね。」
奈良県で生まれ、北大医学部出身の竜野さんは大学院生の時から地域医療に携わってきました。ブータンやインドネシアといった海外での診療も経験。高知県の病院を経て今年9月、鶴居村の診療所所長に就任しました。
3日前に発熱で受診した村に住む男性。受診後ものどの痛みと熱が引かず、再度受診に訪れました。
患者
「感染症があるかどうか含めて診察していただきました。鶴居の診療所があるだけで安心できる。」
内科、外科、そして小児科。さらには予防接種から学校健診まで。村には薬局がないため、薬を出すのも竜野さんの仕事です。まさに、村の医療の根幹を竜野さん1人で担っています。
そんな鶴居村、実は、半年前、村の医療は窮地に立たされていました。村から常勤の医師が退職し、いわゆる「無医村」になってしまうという深刻な危機に直面していたのです。
2年前まで村には診療所の他に民間の医療機関がありましたが、医師不足を理由に休院。今年4月には診療所の指定管理者の医療法人も撤退した上、当時の医師が退職し、
村から、常勤の医師が誰もいなくなる事態に陥っていました。
いま、全国で問題となっているのが地方医療の「担い手不足と需要の拡大」です。
背景にあるのは深刻な人口バランスの変化で、働く世代である15歳から64歳の人口が減少していく一方、医療を必要とする65歳以上の人口は増加。地域の医療体制を維持することが困難になりつつあります。
鶴居村の地域医療のために、竜野さんの経験が生きています。竜野さんが以前勤務していた高知県の大井田病院では「病院での診療」という従来の枠組みを超えた、先進的な取り組みが行われていたと言います。
それは地域全体を職場と捉えて看護師などのスタッフが地域へ出向き住民の健康相談に乗るほかオンライン診療の補助など、地域住民の健康づくりをサポートする「コミュニティナース活動」です。北海道の医療にとっても大きなヒントです
鶴居診療所 竜野真維 所長
「地域連携のことに関しても1つのいいモデルというのを見せていただいたので、ここに来ても釧路の大きな病院と密に連携してスムーズなやり取りをしたいなと思うので、その中で今までの経験を生かすことができればいいなと思っています」」
夫と息子、家族3人で鶴居村へ移り住んだ竜野さん。地域医療という大きな挑戦に飛び込む決断を後押ししてくれたのは、他でもない家族の存在でした。
夫・健司さん
「家族みんな揃ってということで新しい場所でのチャレンジを応援したいなという
気持ちもありました。彼女がやりたいことを支えてあげたいなという気持ち」
存続の危機を乗り越え新たなスタートを切った鶴居診療所。竜野さんが目指すのは、
村の人たちに寄り添い、長く愛される「村のお医者さん」です。
鶴居診療所 竜野真維 所長
「まずは私自身がここに馴染んで長く続けていきたいなと思って、そうやっている間に住民の方との関係性もどんどんできてくるかなと思いますし、皆さんがどんな時でも頼りにしてくれて相談しに来てくれる診療所にしていきたいなと思います。」


















