now onair

NEXT

画像

2012年11月。藤村忠寿氏、大阪マラソンに出場。
人生初のフルマラソンを走り、なんと4時間31分という見事なタイムで42.195kmを見事に完走。

画像

完走したあと藤村さんは「腹減ったなぁ」とラーメンを食う余裕。

画像

2012年11月。グッズ店長石坂氏、同じく大阪マラソンに出場。
こちらも同じく人生初のフルマラソンを走り6時間7分というタイムで、42.195kmを見事に完走したものの、表情もとりつくろえないほどに疲労困憊したあげく、このような人間離れしたありがたい顔となる。

画像

店長氏はこのあと関係スタッフ(オレね)に護送されつつ安全に宿へと運ばれたが、階段を上るたびに足に激痛、命からがらの退場となった。
こうしてそれぞれの大阪マラソンは、それぞれの人間模様を呈しつつ終わった。

画像

それから3カ月ほど経った3月2日。
この二人は、またフルマラソンに出ることになっており、この沈滞したムード。なぜなら名水マラソンは明日が本番日。

画像

そもそもは、こいつが酒に酔った勢いで、
「竹田にも名水マラソンいうのがあるんよ」
という姫だるまの後藤さんに言われるままに「あ、オレ出ますよ!」と、言ってしまったことに端を発する。

画像

こいつも、酔っ払いに「藤村さん出ないんですか!オレ出ますよ!」と挑発され
「バカ言うな、オレも出るぞ」と、言ってしまい、

画像

今日のこの沈滞したムードとなる。ここは福岡。2人は不安。

画像

店「藤村さん、名水マラソンって山道コースって知ってました?」
藤「さっきホームページ見た。標高差200mあるらしいな」
店「ちゃんと調べてからエントリーすれば好かったですね」
藤「知ってたら出てねぇよ」
店「あれから走ってます?」
藤「走ってねぇよ」
店「明日、走れます?」
藤「走れねぇよ」

画像

そこへ名物のうなぎのせいろ蒸しが運ばれてくる。
藤「おい店長、このうなぎ、ものすげぇ飯の量だぞ」
店「いいですよ。食べますよぼく」
藤「いや、だって大会前日は暴飲暴食は避けた方が好いって大阪の時おまえ言ってたろ?」
店「いいですよもう」

画像

竹田へ向けて高速を走るランナー2人。
藤「おい店長。うそだろ…。ここから福岡空港までで43kmだぞ!いやもう、そんなもん絶対走れんて…」

画像

助手席でゴソゴソやってた店長。
店「パン、食べます?」
藤「おまえ何でパンなんか買ってんだよ!今、昼めし食ったばっかりだろ?」
店「さっきのサービスエリアで美味しそうだったんですよ…」
藤「食うなよ!」

画像

店「美味しいですよ…」
ランナー。体調管理…する気…なし。

画像

日もとっぷり暮れた頃、ランナーたちは竹田に到着する。
急に不安が募ったか「とりあえず2キロくらい走っとくか」
ということになり、慌ただしくストレッチを始める。

画像

ストロボ発光!

画像

もはや大阪マラソンの時の緊張感も無く、
大会を前日に控えたランナーとも思えない見栄えの2人。

画像

それでもランナーは、どことなく不安げに夜の闇の中へ消えて行った。

画像

そして既に宴もたけなわ。全員酔っ払い。
藤「店長ね、店長ね、こういう強い酒を飲んでね、ガッと寝た方が好いんですよ」

画像

この辺りから、不安を抱えたランナー同士のつぶし合いが始まる。
藤「まぁ、そうは言ってもねぇ…、オレは完走しますよ」

画像

藤「オレはねぇ、すいません、オレはねぇ、負ける勝負はしませんよ!」

画像

藤「ただねぇ。ただ。…あいつは、足きりですよ」

画像

藤「だってそうでしょう。こいつは大阪マラソンで6時間過ぎちゃったんだから。
竹田のコースは6時間で足きりなんですよ。だったらこいつは足きりですよ」

画像

そこまで言われて、あいつにも火がついた。
店「藤村さん、そんなこと言ってますけどねぇ、走ってみないとわかんないでしょう?オレが完走できるかできないかなんて。そんなの分かんないじゃないですか」
藤「わかるよ」

画像

店「じゃぁ、オレが完走したらどうします?」

画像

藤「はぁ??おめぇが完走したら?
そしたら会社に掛け合っておめぇの年収倍にしてやるよ」

画像

藤「それか、あれだな…」

画像

藤「おまえが…ランプこすったら…そっから出てきてやるよ」

画像

藤「ランプの精に、なってやるよ(暴言爆笑)」

画像

すっかり絶望的になった店長は酔いつぶれて寝た。

画像

藤「おい。店長。明日に向けて最後に気合いれるぞ」

画像

藤「竹田名水マラソン!キュー!」

画像

藤「ほぉら。店長。一緒にやるんだって。ほれ、キュー」

画像

藤「まったく…。歯ごたえのねぇ奴だな」

画像

こうして夜も更けてゆき、

画像

ランナーたちは一人、

画像

また一人と、

画像

束の間の休息に向かう。

画像

大会前夜。ランナー2人、飲酒痛飲。体調管理いっさいした気配なし。

画像

藤村さんは、この夜、飲み過ぎが祟って夜中に吐きました。最悪。

画像

そして、夜が明け、朝が来て。

画像

腫れあがった顔で、大会当日の朝を迎えるランナーA。

画像

ランナーBも、すっかり面白い顔になって起きてきて。

画像

気つけにと、渋茶を飲んでみる。

画像

しかし、あたりまえだが…、とくに効果はない。

画像

不安なランナーAは、ランナーBに自分の不安をぶつけてみる。

画像

店「藤村さん…」
藤「なんだよ」
店「やれますか?」
藤「…やれねぇよ!」

画像

店「そうですよね…」
藤「あったりまえだろ。おかしな質問するなよ」
店「はい…」

画像

この3カ月一度も走らず、前夜、飲酒痛飲し、夜中に吐き、今朝、喫煙して出てきたランナー2人が登録をしています。

画像

ゼッケンを持たされ記念写真。
また逮捕直後の人のようなポーズになっています。

画像

と、逮捕直後の人が、ストレッチを始めていたら…。

画像

九州の隠れどうでしょうのみなさんがワラワラとお集まりになり。

画像

なんとな~くな距離からいっせいに写真を撮り始め。

画像

するとそこへ「どうもどうも」と爽やかな笑顔の竹田市長がお出でになり、「姫だるまを有名にしてくれてありがとう」とニコニコ顔でご挨拶。

画像

そのまま事情も分からず完走する自信もない男と固い握手をされました。

画像

完走する自信もない男はだんだんタガがはずれていって乞われるままにサインはする、

画像

地元ケーブルテレビの取材は受ける。

画像

ケーブルテレビさんも何で取材に来られたかはしりませんが、

画像

完走する自信もない男は、すっかり調子づき、完走する自信もない男とは思えないほどのしゃべりよう。

画像

あげくには、「藤村さん!ぜひ!自分のだるまに目を入れてください」という勘違いしたどうでしょうファンの方までおみえになり、

画像

「はいはい」とばかりに、完走する自信もない男は、一心に目を入れ始める。

画像

ついに完走する自信もない男は、走ってもいないのにだるまに目を入れてしまい、
自慢げに瞑目(めいもく)し、やたらご満悦のようす。
さぁ、「ランナーのみなさんは間もなく出走です」と場内アナウンスが聞こえてくる。

画像

あ!ランナーがこちらを向いて手を上げています!

画像

見えました!ヒゲランナーです!

画像

あ!たった今!スタートの号砲一発、鳴り響いていっせいにスタートしました!

画像

さぁ、ここから先は、投稿者のみなさんからのお便りを待つばかりです!
竹田名水!ヒゲ!マラソン!始まりです!

つづく
嬉野雅道
激走!大阪ヒゲマラソン!大写真紙芝居
このページの先頭へ戻る