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人間ビジョン 感動!知床 川の神秘 サケ先生の特別授業
2006年2月5日(日)午後6時56分~7時58分 放送
(北海道ローカル)

出演者紹介

旅人・ナレーション 酒井美紀
酒井美紀 プロフィール
1978年、静岡県生まれ。
93年に「永遠に好きと言えない」で歌手デビューし、96年に大ヒットしたドラマ「白線流し」のほか、「舞妓さんは名探偵」「HR」などの人気ドラマに出演、女優としても実力が評価されている。映画では日本アカデミー賞新人俳優賞を受賞した「Love Letter」、日本アカデミー賞優秀助演女優賞を受賞した「誘拐」、そして初主演「愛する」では第21回山路ふみ子映画賞、第10回日刊スポーツ映画大賞新人賞を受賞するほか「ジュブナイル」「精霊流し」等にも出演。また舞台、CM、ナレーターなど幅広い活躍で注目されている。
酒井美紀さんからのメッセージ
知床の自然について
世界自然遺産に登録されたエリアを流れる人間の手が全く加わっていない川を歩きました。そこで私が感じたのは、海の生物、陸の生物が別々に生きているのではなく輪のようにつながっているということでした。そして私たち人間は普段は気付かないけれど、そのサークルの中で生かされているのだと感じられ感動しました。

サケ先生について
とてもわかりやすく説明して頂きました。先生の言葉から、知床の動物や自然を本当に愛していらっしゃるということが伝わってきました。そして先生の自然に対して謙虚に接せられている態度は見習わなくてはと思いました。

サケについて
川から海へ出て行き、数年後には必ず同じ川へ戻って来て次の世代(生命)を残すために川を登る。無事生命を残し、死んでいる者もいれば、死を待っている様に見える者もいる。子孫を残すためのあまりにひたむきで命がけの姿を見ていると、胸がジーンと熱くなるのを感じました。感動しました。

ヒグマについて
目の前15メートルに出てきたときはただ驚き、「怖い」という気持ちでしたが、落ち着いて観察しているとイメージは変わりました。ヒグマはサケをもっと豪快に捕まえて食べるものだと思っていたのですが、卵を食べるにも爪で優しく開いて非常に丁寧に食している姿が意外でした。あと、食卓を決めたり、食べながら他の熊を気にして振り返ったりする姿を見て、思ったよりも繊細な動物であった事が分かり、違う意味で驚きました。北海道でもなかなか見られない光景を目の当たりにすることができて、本当にいい経験となりました。

サケ先生 小宮山英重(こみやまえいしげ)
プロフィール
1949年、東京都大田区出身。
北大農学部在学中は山岳部として沢登りをしながら魚類の研究に没頭。大学院に進んだ後、1974年、札幌市の豊平川サケ科学館学芸員として研究を続け、豊平川カムバックサーモン運動でも中心的な役割を果たす。1990年、標津町のサーモン科学館に主任学芸員として招かれ、日本で初めてサケが自然産卵する池と水路を設計し、世界で初めてメスのシロザケを淡水で飼育することに成功する。2003年には標津町職員を退職、「野生鮭研究所」開設し、所長を務めている。
サケ先生からのメッセージ
 知床で35年以上調査を続けてきて、いろいろなことを学び、教えられてきました。今はその恩返しをしたいと思っています。これまで学んだことをまとめ、伝えていくことが大切だと思っています。
 知床は世界自然遺産に登録されましたが、中には世界に誇れる自然といえない部分もあります。ただそれを、単純に取り払ってしまうとか、人間の暮らしを制限するということではなく、なんとか自然と人とが共存できる形ができないか、そして知床こそそれができる場所だと思っています。知床でのルールが北海道でのルールになり、日本の環境を守るスタンダードになることができれば素敵なことではないか、そのために、今いる私たちが一生懸命知恵を出さなければいけない大切な時期にいるのだと思います。