now onair

04:45

お肌も心も生き生きと!

NEXT

ハナタレナックス

TOP > STAFF ROOM

STAFF ROOM

大泉バンドが“伝説”と化したワケ

2008年03月07日(金)

3月7日(金)杉山です。


奥田民生さんをゲストにお迎えした昨夜の放送、いかがでしたか?

8年前に放送されたHTB深夜番組「鈴井の巣」からの秘蔵映像を
たっぷりとご覧頂きました。
まだ多少初々しさの残る(?)大泉さんと安田さん。
そして変わらぬマイペースぶりが魅力の民生さん。
その天才的なアドリブコントは、
今見ても爆笑できる「傑作」だと、個人的には思っています。

よくもまぁあれだけ面白いことになってしまったな、と…。


当時、僕は番組のチーフディレクターでした。
(中島Dも共にディレクターとして参加していました。)

無責任な言い方になりますが、、、
正直なところ何も無いところから無計画にスタートした企画だったんです。
手探りといいましょうか。

「大泉くんが歌で紅白に出たい!と言っているので、
キャンペーンで札幌に来る時にちょっとプロデュースの話に
乗ってもらえませんか?」
…まあ、比較的軽い気持ちでのオファーだった訳です。
…遊び程度に、ぐらいの。


それが、民生さんと大泉さんの絶妙なアドリブコントから「負け戦」が生まれ、
あれよあれよという間に「生放送でのデビューライブ」へと
話が膨らんでしまった…。
スタッフすら予想もしていなかった面白い展開へと
“はからずも”転がってしまったのです。


昨日の放送で民生さんも仰っていましたが…
「ああ。ガチンコバラエティの面白さって
こういうとこにあるんだなぁ…」と当時の僕は痛感しました。
(今も、ですが。)

どうなるか分からんけど「えいや!」でやってみる。
あとはその結果を待つ。それだけ。
視聴者の皆さんもそうでしょうが、
スタッフも同じようにワクワクドキドキその企画の行く末を見守れる。
緊張感を持ってロケに臨める。
それがガチンコのガチンコたる所以なのですが…

「もしも何も起こらなかったら?」
「もしも面白くならなかったら?」
この不安と恐怖がどうしても企画を小さくし、
作り手にあの手この手の保険をかけさせてしまう。
悪い癖と分かっていても、怖い。

でも思い切ってタレントさんを信じ切って押し通せば
「予想外」の「ミラクル」は案外起こるものなんですよね。
時々手痛い失敗もありますけど…(笑)


企画が滑り出したその時から
いろんな人のいろんなパワーが掛け算になって膨らんでいく。
奥田民生×大泉洋×安田顕=?

決して、民生+大泉+安田= …という足し算ではない。

だから我々作り手も「信じきる」という言葉をそこに掛け算する
勇気を持たなくちゃいけないんです。ホントは。
そうすることで初めて「魔法」は生まれるんじゃないかな…と。
肝に銘じて今後の番組作りを頑張っていきます。
保険や逃げ道を考えない“捨て身の番組作り”…を。

まぁ、ただこの番組に関して言えば、
なんせ主役は「チームナックス」ですから…
勇気を持たずとも「信じきれる」んですけどね。


ちなみにこの民生さんと大泉さんとの珠玉のガチンコやりとりの回は
視聴率でも15%超という「鈴井の巣」自己最高記録を樹立しました。
(歴代HTB深夜番組で見てもおそらく上位。)


さて話がそれましたが実はこの大泉バンド企画には
最後にオチがありまして。
8年前の放送をご覧になっていた方はご存知かもしれませんが。


深夜の生中継でお送りした「ライブ」は
大泉バンド“デビューライブ”と銘打っていました。

“デビュー”…つまりバンドとしては文字通り
“最初の一歩を踏み出すための”ライブだった訳です。


しかし“大泉バンド”はその後、
二度とステージで「負け戦」を演奏することはありませんでした。
(正確に言うと、その年の夏のイベントで一度だけ
別の曲を演奏したことはあったのですが)


たった一夜の熱狂のライブだけを残して
なぜ大泉バンドは「伝説」になってしまったのか?


あの生放送ライブの後、番組では視聴者の皆さまから
ハガキを募集していました。
放送を見て「心打たれた!」と思われた方は
番組にお葉書をお送り下さい、、、と。


そう。民生プロデューサーからの試練は
「ライブをやって、人の心を打ったら続きをプロデュースしましょう」
というものでした。


では「人の心を打った」…これを番組としてどう判断すべきか?
スタッフはバカな頭で真剣に考えました。

3分間のギターソロやラップだけじゃなく、
こんなことまで律儀に忠実だった訳ですね。

そして。番組では民生さんのこの言葉を番組なりに解釈し、
「視聴者から5000枚のハガキが届いたら、みんなの心を打ったということで
正式に民生さんにプロデュースをオファーしよう!」
という目標を立てたのです。


そして数週間後。

最終的に届いたハガキの枚数は…


4666枚でした。
…惜しい!(ちなみにこの模様は番組でも放送しました)


という訳で、残念ながら“続き”は潔く断念。
「大泉バンド」は“負け戦”という幻の迷曲と、
一夜限りの熱狂ライブだけを残し伝説と化したのでした。


やらせ無しのガチンコ勝負。
だからこそ、企画の引き際も素直に実数に従い、
下手な延命措置は取らなかった。
あとたった400枚弱ではあったけれど。
大泉さんからは後日、
呆れ顔で「バッカじゃないの?キミたち…」と言われました(笑)

確かに!おっしゃるとおりです。


さ!来週はいよいよ民生さんが「ナックスハリケーン」を熱唱か!?
…って、予告で歌ってるとこ見せちゃっといて
今さら何言ってんだか?ですが…(笑)
歌ってくれちゃうんですねぇ、、、民生さんが!!!
果たしてどんなことになってしまうのか?

更に!民生さんの素顔と本音に迫る「新企画」も登場!
爆笑トークはいよいよクライマックスへ突入!…か?
必見そして永久保存版ですぞ!
3月13日(木)深夜0:10~ お見逃しなく!!


P.S.
速報です!
来週ぐらいにこのHPがちょぴっとリニューアルすることになりました。
(正確な日時は未定)
こちらもお楽しみに!!

(杉山)