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NACSとHTBの20年こぼれ話②

2017年03月30日(木)

ずっと心に引っかかりながら

全然時間が取れず続きを書けないままでいました。

ごめんなさい。12月の記事の続編です。

3ヶ月前でさえ記憶が途切れ途切れだったのに

今さら何を思い出せるというのか、、、

自分にも分かりませんが、せめて続きの話くらいは

無い脳を振り絞って書いてみようと思います。

もはやすっかりタイミングを逸し、

今さら感は否めないのですけど...

HTB深夜バラエティの元祖「モザイクな夜」に

TEAM NACSの5人が初めて揃って出演した時の話ですね。

残念ながら未だにHTBアーカイブ室からは

当時の音声付映像は出てきておりません。

当時のスタッフやメンバー本人、

そして自分のかすかな記憶だけを頼りに

書き進めてみようと思いますので

かなり断片的なものになってしまうことご容赦ください。

企画は確か、かつてやすきよコンビの司会で一世を風靡した

「フィーリングカップル5対5」のパロディ版。

と言ってもピンと来る方は多くはないかもしれません。

我々世代が子供の頃(昭和40~50年代)、

一般人男女のお見合いやカップリング番組が全盛で

桂三枝師匠(当時)司会の「パンチDEデート」や

「ラブアタック」など、とにかくたくさんの番組が

軒並み高い人気を誇っていまして、その中の一つが、

上記「5対5」を名物コーナーに擁する

「プロポーズ大作戦」でした。

その後形を変えて「ねるとん」や「あいのり」などに

引き継がれていく系譜の元祖みたいなものですね。

とにかくナックスの「モザイク」デビューは

そのフォーマットを真似た男女5人ずつの

お見合い企画だった訳です。

お相手の女子チームがどこから来たどんな方達だったかは

なにせ20年前のことでもはや定かじゃないのですが

おそらく一般公募で集まった女子大生やOLさんだったのでは、

と思われます。

一方のナックスさんは、

わずかに残っている映像から推測するに、

彼らの記念すべき旗揚げ解散公演(初公演!)

「LETTER~変わり続けるベクトルの障壁~」の

宣伝のための出演だったようです。

おそらくレギュラー出演する安田さんや大泉さんから

「舞台やるから宣伝してよ」とか言われて

「だったら」みたいな感じでタイミングの合うこの企画に

ブッキングされたんじゃないでしょうか。

まあつまり、ハナから彼女探しに来ていた訳ではないという

経緯だったと思われます。

とは言え企画はカップリングゲーム。

手元にボタンがあって、意中の人の番号を押し、

その相手も自分を押してくれていれば線が繋がるという

電気仕掛けの大きなテーブルを使って行われました。

そのテーブルを置いてる店だかパーティルームだかを

貸し切りにしての収録だったと思います。

MCはご存知、ミスターこと鈴井貴之さん。

おぼろげな記憶ですが、確かやっさん風に髪をビタッと

横分けに固めていたような気がします。

局アナがきよし師匠役で付いてたのかな。

その電子テーブルをはさんで男女5人が向かい合わせに座り

自己紹介、自己PR、質問などをしながら会話を進め

最後にカップル成立なるか?というシンプルな内容でした。

今や押しも押されもせぬスターとなった5人ですが、

当時はまだテレビにも慣れていない一介の学生演劇集団。

多くを求めるのも酷というもので、

小さな笑いは多少あったかもしれませんが

案の定特に大きな見せ場もなく終わっていたと記憶しています。

ただ一つだけ、当事者や周囲の記憶に深く刻まれた出来事が

ありました。本人にとってはそこそこ大きな「傷」、

あるいは「トラウマ」として残るほどの。

おそらく自己PRとか特技披露のような場面だったのでしょう。

安田さんが金魚を飲み込み、腹を叩いてポンプのように

口から出す、という芸を見せました。(映像に残っています)

かつて「奇人変人大集合」みたいな番組が色々あって

この金魚ポンプの芸を見せる人も居たのを覚えてます。

(今じゃできないんでしょうねぇ。破天荒な昭和の思い出。)

そしてそんな安田先輩の体を張った芸を真似たのか、

それとも本当に得意だったのかは分かりませんが、

音尾君が同じことをしたのです。

いや、正確には、したんだそうです。

と書かなければなりません。

僕自身はまったく記憶になく、しかも映像にも残っておらず、

本人と周囲の記憶のみで書いておりますゆえ、

ここからはほぼすべてが「伝聞」です。

ただ本人も認めているので大筋間違いのない、

確度の高い話であることも付け加えておきます。

ともあれ音尾君が金魚を飲み込んだと。

ところが、です。

そのあと口から生還を果たすはずの金魚が

お腹を叩いてもゲップをしても、何をしても戻ってこない。

結果的に、ただ食べちゃったんですね。金魚。

でもって収録後。

司会でありながら役者としての先輩であり

事務所の社長でもあった鈴井さんに

"烈火のごとく"怒られちゃったんだそうです。

社長の怒りの理由が何だったのか、

金魚を食べてしまったこと自体にあるのかどうかは

正直よく分からないのですが、

とにかくそれはそれはこっぴどかったそうです。

当時の鈴井さんと言えば、

主宰する劇団OOPARTSの稽古場では常に怒声と罵声の嵐、

灰皿が飛ぶことも日常茶飯事(所属していた安田さん談)、

ジャックナイフのように光るその目は

ヤクザか殺し屋でしかない(大泉さん談)、

という、誰もが恐れる絶対的存在。

そんな人に、テレビデビュー直後に

雷を落とされてしまった最年少・音尾君の心中たるや

察して余りあるものがあります。

まだ二十歳になるかどうかくらいの年齢ですからね。

そらトラウマにもなるでしょう。

実はこの話、もう全員の頭から消し去られた

過去の悲しい出来事かと思っていましたし、

僕自身も完全に記憶の彼方だったのですが、

昨年の夏頃に放送したハナタレ「20分の壁」企画の中の

"金魚すくい"ステージで、突如その記憶が蘇る瞬間が

訪れたのです。

ゲーム前、多くの金魚が泳ぐ水槽を目の前にして

大泉さんが思い出したように音尾君に一言。

「音尾君、昔この局の番組で金魚食べて

バカみたいに怒られたことあったな」

「・・・ああ、あった。すごい怖かったの覚えてる」

こんなやりとりから当時の様子がメンバーの脳裏にも

鮮やかに蘇ってきたようです。

じわっと広がる苦笑、そして爆笑。

放送ではさすがに説明もつかないので

その会話自体カットされましたが、そこで聞いた話を

今ここで私が書いている、という次第です。

音尾君にとってテレビデビューはほろ苦い恐怖体験。

そんな時代があって、今がある。

1週間ほど過ぎてしまいましたが、

41歳の誕生日おめでとうございます。

もう既にあの時あんなに怖かった鈴井さんの年齢も

とっくに超えてしまったんですね。

立派なおじさんです。

20年というのはつまりそういう歳月なのだということを

改めてしみじみ思う今日この頃なのでした。

ということで、ナックスTVデビューの話はここまで。

詳しい話が少なく断片的ですみません。

この先、また思い出すエピソードなどがあれば

不定期ながら③に続きます。

(杉山)