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人生とはなにか。

2013年11月06日(水)

っていきなりずいぶん仰々しいタイトルを付けてしまったけれど。

 

「人生とは何か」「仕事とはなにか」ってことを最近しばしば、時々けっこう考える。

なぜそんなことを考えるのかと言えば、

きっと考えさせらる何事かが自分に起きたからなのだろうけど、

そのはっきりした理由は自分にも分らなくて、ただ漠然と、考えている。

おそらく先日亡くなった広告批評家の天野祐吉さんの追悼番組を見たことが

一因であろうことは想像できた。NHKでやっていた。

学生時代から結構ファンだった。

 

天野さんが広告批評を始めたきっかけは、学生時代に東京下町のストリップ小屋で

オッサン達が飛ばす野次を聞いたことだったそうだ。

「いいぞいいぞ!」「ひっこめ~!」

ストリップでさすがにひっこめ~は無いか・・・。

まあいずれにせよオッサン達のストレートで乱暴な野次が、

天野さんの中の何を刺激したのか、

彼は「自分も野次リストになりたい」と思ったそうだ。

もともと言葉を操る生まれ持った才能は持ち合わせていたのだろうけど、

そんな所で自分の一生を左右する「道」を見つけてしまったなんて、

人生は不思議で、分からないもんだなー、と改めて思う。

そんんでもって彼は、人が創った広告を客席から見て批評する(野次る)という仕事を

一生の生業とすることになったのだから。

そんで彼は生涯、野次リストとしてその生をまっとうした。

その仕事の価値や意味やそんなことはともあれ

(個人的にはものすごく意義深いものだと思ってるけれど)

それは素敵なことに思える。

 

そう言えば、かつてノムさんこと野村監督が「生涯一捕手」という本を書いた。

現役を退き、監督や評論家になった今も、彼は一捕手であり続けてるのだろうか。

選手ではない人がそれでも捕手をまっとうしていたら、それはカッコいい。

よくよく思い出してみると、スポーツ番組で見るあの人のコメントは、

でも確かにキャッチャーのそれのようにも思えてくる。

 

ブレない人ってカッコいい。

頑固とはまた違う。

「さすがにそれどうよ?」と思えるようなことにしがみついてブレない、

という人がいたら(結構いるけど)はそれはそれで厄介だし、時に迷惑か。

ステレオタイプな例でいえば出世の鬼、みたいなヤツとか。

いやまてよ、でもそれは人によって価値観が違うのだから

見る人によってはそれが大切なものである場合だってある訳で。

 

という部分で自分に自信が持てなかったり迷ったりしてる時点で、

人は既にブレているのかもしれない。そんなこんなを考えている。

答えの無いループのような思考回路に迷い込んでちょくちょくトリップする。

 

自分の仕事はなんだ?

テレビの仕事ってなんだ?

金を儲けて裕福になること?

視聴率を取ってライバル会社に勝つこと?

与えられた仕事を間違えずにこなすこと?

上に言われた通りにノルマを達成すること?

お茶の間にできるだけ長くテレビを見てもらうために作戦を立てること?

暇な人の暇つぶし相手になること?

難しいことをやさしく翻訳して伝えること?

他の番組でもやってるのと同じ役に立つ情報を仕入れてきて教えてあげること?

良質な番組を作って生活に潤いを与えること?

良質ってなんだ?

面白ければそれでいい?

色んな権威から賞を頂けるような作品なら視聴率が悪くてもいい?

多少小難しくてもいい?

自主規制ってなんだ?

いやいや、その全部でしょう?

信用?信頼?出世?業績?平和?教養?権力?監視?人気?見栄?品格?尊厳?・・・

根拠のない自信はありやなしや?

否定が怖くてモノが言えるか?

少数派は悪か?

人はなんで働くのか?

カネのため?飯のため?

自分のため?他人のため?

え?自己実現てなんだ?

オリジナリティとマスターベーションの境目はどこだ?

ユメミルチカラ、HTB!

ふう。

なんじゃこりゃ。

 

テレビを見過ぎるとバカになるから、という理由で

我が家ではテレビは1日3時間まで、だった。

そんな環境で育った人間が今、テレビを作っている。

なんのために?

カンヌで賞を獲る映画は難しくて意味分からないから観ない、と

尊敬する先輩がかつて言っていて、なるほどそうだ!オレも!と思った。

そんな男がドラマを作れば賞にも一応出品したりするんだ。

へぇ、なんのために?

 

あ、いやいや違う間違えた、そんな話を書こうと思った訳じゃない。

 

やっぱりブレない人は、カッコいい。

ブレまくりの人を自分の周りや会社でたくさん見ているから、

いやいや、そんな人のせいにしちゃって。

たぶん自分自身がそうだから、余計にそう思うのだろう。

ブレないことの難しさだって知っているつもり。

 

とまあ多分、僕は今、何かに腹を立てているのでしょう。

あるいはちょっぴり凹んでいるのでしょう。

 

あ、でも病んではいませんよ!ご心配なく!

どちらかと言えば元気です。いやむしろバリバリです。

 

自信を持ち、自信を失い、恐る恐る、でも堂々としなきゃ!と自分を鼓舞しながら

いまも、日々を生きています。ボクちゃんはどこに行くのかなぁ。

 

そんな時、HTBの屋上からながめる景色は束の間の癒しになります。

これは屋上から見た、「高台公園なめの札幌市街」。

数日前ですが、紅葉がめちゃくちゃきれいでした。

屋上から高台公園.jpg

この紅葉の下に、どうでしょうの聖地と言われる公園が広がっています。

広がっている、というほど広くもないけど。

 

先週あたり札幌の町には白い綿をまとったようなパッと見きれいな、

でもよく見るとわりとグロいし油断すると大量に口に入ってオエーッてなる

「雪虫」ってのが飛んでいて、それが飛ぶと数日~数週間で雪が降る、

なんて言われていて、そんな訳でいよいよここ北の地は

晩秋から初冬に向かおうとしています。

その前の、一瞬のきらめくような紅葉。

携帯カメラじゃなきゃもっと細かく色も出るんですが・・・残念。

 

そんな自慢の屋上を持つHTBさんは、

5年後くらいに社屋移転(お引越し)が決まっています。

札幌の中心部に移ります。大通公園あたりのナウいヤングな場所です。

反対意見も多少あったのかもしれませんが、

社内の大勢は大賛成ということで既に決定して発表もされました。

社内で喜ぶ声もあちらこちらで耳にしました。

効率性や利便性を考えれば当然の判断なのでしょう。

ビジネスにおいても常に1分1秒を争う営業マンや報道マンにとっては

切実な問題でもあったそうですし、結論から言って「いいこと」なのだと思います。

トレンドを素早くキャッチできてカッコいいしね。

ただ個人的にはひとえに、この憩いの場がなくなることだけがとても残念。

忙しい仕事の合間にのぼって来ては、市街地を遠くに眺めながら束の間一服・・・

頭と心のリフレッシュに最適だったのになー。

まあ引っ越しというのは人をノスタルジックにさせますよね。

今まで仲間と築き上げてきた歴史や思い出の詰まった場所が無くなってしまう事への

若干の寂しさなんかもあるのかもしれません。

年を取ったせいでしょうかね。

まあ、いいや。

 

そんなこんなで「人生とはなにか」を考えてしまう秋です。

なぜか「いい日旅立ち」が頭の中をめぐっています。

皆さんはそんなことありませんか?

ありませんね。

 

えー、さてこんな日記を書いてごまかそうって腹ではございませんよ。

DVDですね、きっと皆さんが気にしてるのは。

なんだこの長いだけで中身のいっこも無い文章は!

DVDはどうした!もっと大事なことを書け!

・・・そんな野次リストたちの罵声が聞こえてくるようで怖いですが(笑)

 

ホントにもうじき、発表できますから。

もうちょっと、ほんのちょっとだけお待ち下さい。

その発表までの間にね、皆さんも皆さんなりの「人生ってなんだ」を考えて

暇をつぶしてみて下さい。

せっかくの秋ですから。季節の風情をどうぞ大切に...。

あ、風邪も流行ってるようですからお体もお大事に。

 

(杉山)