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相棒セレクション 相棒19 #15【再】
夫と2人で向かった津別峠までは、家から車で1時間半ほどかかった。
舗装道路だが、狭い、つづら折りの坂を上って頂上に着いた。
見なれた雌雄二つの阿寒岳の、裏側からの眺めと
紺ぺきの屈斜路湖が目の前に広がり、
斜里岳、摩周岳、そしてはるか遠くに、白く輝く大雪連峰を望む。
その日を境に冬になりそうな寒い日で、
やまやまは、紅葉がこの日で終わってしまうかのように、ありったけの装いで美しかった。
私たち夫婦は、子供らの勧めに押し出されるようにして、小さな旅に出たのだった。
夕方の搾乳に間に合うように帰る約束で。
展望台の店内は人影もまばらでひっそりとしていた。
暖をとるのに夫はコーヒー、私は甘酒を注文した。
ウエートレスさんが運んでくれた甘酒を両手で包んで指をぬくめていると
「今日は結婚40年の記念日なんですよ」
問われもしないのに夫が切り出した。
「辛抱しましたねえ。」
わたしも聞かれもしないのに、カウンターの向こうの笑顔に答えた。
敵は「我慢した」とも言う。辛抱と我慢のたわいもない漫才になった。
40年の歳月は随分早かったような、長かったような気がする。
いろいろあったけれど、なんとか共に歩んでこられたのは幸運だったのだろう。
10年後、またこの地を訪ねたいと思った。
もう一度360度の景色を見渡し津別峠を後にした。 〆
1945年8月、旧満州(まんしゅう)で敗戦を迎え、
私たち家族は兵舎に収容された。
食事は朝夕、コーリャンがゆ1杯と水だけで、幼子は消化不良で弱っていった。
郵便局勤めの父は同僚とソ連兵に連行された。
9月中旬、荒れ果てた旧官舎に移り、十数家族と共同生活。
はしかがはやったが、医者も薬もなく、学齢前の子どもたちが次々に死んだ。
私の妹3人も。
11月、満州北部からの列車に男たちが乗っていると聞き、
母は弟と私の手を引きその集団のもとへ急いだ。
やせて髪もひげもぼうぼうの男たちの中に父を見つけるや、
母は地面にひれ伏し
「父さんの留守に子どもたち3人を亡くしすみません」と泣き崩れた。
父は弟と私を見てすべてを察したようだった。
連行された先で父は、こんな夢を見たという。
「父さん。」
と亡くなった3人の子どもたちの声。
「おまえたち、母さんと一緒じゃなかったのか」。
すると3人は
「母さんたちは日本に帰るの。私たち満州生まれは帰れないの」。
父の肩や腕にすがり、楽しそうに遊び、
やがて「父さん、さようなら」と言って消えたという。
父は、あの子たちは別れに来たんだと涙ぐんだ。
あれから65年、毎年必ず思い出す父の不思議な夢だ。〆
私は子どもに、弁当箱は自分で洗うように言っているのだが、なかなか実行してくれない。
友人に「高3の娘がお弁当箱を洗わないので、
洗うまで次々と違う容れ物に作ってやるの」と話したところ、
3人の男の子を育てている彼女は
「うちでそんなことしたら、その汚いのに詰めてやる」と言っていたことがある。
なので、夜、黙って包みごと弁当箱を差し出した娘に
「これにそのまま詰めちゃうよ」と言ってみたのだが、「いいよ」と平然と答えて寝てしまった。
実はその数分前、
高1になったばかりの末の息子が持ち帰った弁当箱が、きれいに洗ってあり、
「どこで洗ったの?」と尋ねると「学校で。」との答え。
5人の子どもたちの中で、初めて学校で弁当箱を洗った子が出たことに、
感動したばかりだったのだ。
しかたがないなあ、と娘の包みを開けると、
何とこちらも洗ってあるではないか。
不覚にも大泣きしてしまった。
夫が、突然くも膜下出血で亡くなってから、またたく間に4カ月が過ぎていった。
淡々と事実を受け入れ、泣き叫ぶこともなく、寂しいと口にすることもなかった末っ子2人が、
母を思ってしてくれたことが、たまらなくいとおしくなった。
思わず、翌日の弁当のためのマカロニサラダを作り始めた。
お父さん、あなたの子どもたちは、もう立派に育っています。
安心してください。
私は大丈夫です。 〆