ファイターズ2軍本拠地誘致の最新情勢 注目の6都市 先行する江別・恵庭市に対抗しダークホース現る
2025年 9月12日 09:09 掲載
ファイターズが2軍の本拠地を千葉県鎌ケ谷市から道内に移転する意向を表明してからおよそ2カ月。
会見で球団が強調したのは「まちづくり」でした。
候補地は、1軍の本拠地がある北広島や札幌・江別・恵庭・千歳・苫小牧の6つの市で、それぞれの街では誘致に向け市民の動きが。最も早く動き出したのが江別市で、有力な候補とみられています。今年5月には、市内のおよそ50の企業や団体などが期成会を設立。
■江別ファイターズ誘致期成会・町村均会長:
「江別は北広島とか千歳とか、最近話題に事欠かない石狩管内の地域でちょっと寂しい思いをするところ千載一遇のチャンスといってもいい」
球団の発表後、期成会はすぐに署名活動を実施。先月22日には、市長に対しておよそ2万人分の署名を手渡しました。
盛り上がりを見せる誘致活動に市民は。
■江別市民:
「もっともっと頑張ってほしいです。出来る限りのことは頑張ってほしい」
市民の熱い声を受け、市も積極的に誘致に取り組む姿勢を表明。
市役所内に2軍本拠地誘致に向けたプロジェクトチームを作りました。
■江別市・後藤好人市長:
「新しい人の流れができたり子どもたちの夢が出来ると思います。」
さらに、2030年ごろに2軍本拠地移転を控える千葉ロッテマリーンズの取り組みを参考にするため、市の職員が千葉県の君津市を視察。
球団と連携した街づくりにむけ準備を進めます。
■江別市・後藤好人市長:
「身の回りにプロの選手がいるといい刺激になるので、積極的に検討する」
江別市と並んで有力とみられているのが恵庭市です。
市は、エスコンフィールドからおよそ20分ほど離れた西島松地区を候補地として提案を検討しています。
恵庭市の誘致活動の特徴は、「市民が主体」となって行っていること。
7月には期成会が立ち上がり、署名活動などが行われてきました。
■恵庭市民:「千歳とか北広島市の方が栄えてきているので、市民は来てほしいと思っている」
誘致活動の中心的な役割を担う期成会。署名を集める中、新たな動きが。
先週、幹部らがファイターズ2軍本拠地の鎌ケ谷スタジアムとジャイアンツの2軍施設を視察しました。
■恵庭市ファイターズ誘致期成会・中川淳一幹事長:
「プロ野球の大きな力、そして地域振興の可能性みたいものを特にあの感じました。我々も、見てきたところ以上に、何かもっと素晴らしいものができるのではないのかなというふうに期待をしています。」
今月16日、期成会は市長に対して集めた署名と視察の報告を行う予定です。
一方で、ダークホースも。
官民共に誘致に強い意欲を示す江別市や恵庭市のリードを一気に巻き返す可能性を秘めているのが苫小牧市です。
■苫小牧市民:
「来てくれたらいいなと思う。出来ることがあれば協力したい」
先月、苫小牧商工会議所を中心に白老町・安平町・厚真町・むかわ町の商工会議所が期成会を設立することを発表。最終的には胆振地域全体での苫小牧市への誘致を目指します。
■苫小牧商工会議所・外囿心一専務理事:
「苫小牧に来ていただいた方が西胆振の方に行く。登別温泉などいろんな所に行く可能性が大きい。一緒になって進めていきませんかと。」
広域連携の動きは、自治体間にも。先月27日、白老町の大塩町長は町として誘致活動に協力する意向を示しました。
■加藤諒也記者:
「候補地の1つとして挙がっているJR苫小牧駅前です。市が進めている再開発事業との相乗効果を狙っています」
市内予定地の1つである苫小牧駅前周辺。民有地が多くありその活用が重要なテーマとなっていて、本拠地誘致を起爆剤にしたいとしています。
さらに、苫小牧市の金澤市長は、道央道苫小牧東インターチェンジ周辺のポテンシャルも魅力だといいます。
■苫小牧市・金澤俊市長:
「我々としては候補地の1つとしては考えています。IC周辺も交通アクセスとしては札幌、あるいは千歳からも、あるいは北広島からもいい場所にあるので可能性としてはまだ持っていると思います」
駅前の大型ビルの再開発など大型プロジェクトを抱える苫小牧市。
スピード感を持って誘致を実現したいとしています。
一方、札幌では。
■真駒内公園誘致期成会準備会・吉田健一代表:
「2軍は必ず勝ちたいなと。もし札幌に来てくれたら南区はものすごく活性化するだろうし、これから広がる夢があるんじゃないかな」
札幌市南区の市民団体は真駒内公園に2軍施設の誘致を目指して署名活動を始め、市に要望書を提出。しかし、市は一定の広さがある候補地の選定に難航しているのが現状です。
■札幌市・秋元克広市長:
「ファイターズさんが想定をしているいろんな施設規模・スケジュール感、こういったところにマッチする、そういった土地があるのかないのかということが重要だと認識をしておりますので、引き続き検討を進めていきたい」
そして、北広島市と千歳市は、いまのところ情報の確認などに留まっていて、市民による誘致期成会の設立に向けた動きもありません。
2軍が去る千葉県鎌ケ谷市でも動きが。
市はオープンから28年の鎌ケ谷スタジアムについて、取り壊す可能性が高いと認識を示しました。跡地の具体的な利用については未定で、今後球団と協議を行い、具体的な方向性を決める方針です。
一方で、鎌ケ谷市とファイターズが連携した新たな試みもスタート。
先月、鎌ケ谷市の小学生など10人が参加し、エスコンフィールを訪問する教育旅行が行われました。
■鎌ケ谷市ファイターズファーム連携推進室・岡本秀智室長:
「千葉にある鎌ケ谷と北海道の皆さん、住む場所は違っても、ファイターズという共通の地域資源を通じて、交流の輪が広がればと思っています」
鎌ケ谷の思いを引き継ぎ、2軍本拠地に選ばれるのは、どの街か?球団は再来年に候補地を決め、2030年に施設の開業を目指しています。



























