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北海道・倶知安町の違法開発 渦中の中国人社長が語る“真相” この問題を拡散した田中義人氏との関係は

6月、倶知安町巽地区で発覚した違法開発。去年春から始まった工事で、道の許可がないままおよそ3・9ヘクタールもの森林が伐採されていたことなどがわかりました。道は中国人男性が社長を務める札幌の不動産会社J社と札幌の建設会社T社に対し、工事停止を勧告。工事現場はいまどうなっているのか。12月、テレビとして初めてHTBの取材班が現場の中へ入りました。

木を伐採して切り開かれた広い敷地。工事車両の姿はなく、ほぼ組みあがった鉄筋コンクリート造りの2階建て住宅とまだ土台だけのものが残されています。土地の広さはそれぞれおよそ150坪で、どちらも国外に住む中国人が別荘として建設しているものだということです。窓を入れる前に工事が停まったため、室内に雨風が入らないよう建物の一部はブルーシートで覆われています。

■中国人オーナーの代理人「(Q四方に窓があるが景色を楽しめるように?)そうです、このビューが大好きなので。オーナーさんは何も悪いことしていないので早く建てたい。ちゃんと日本の資格を持っている業者に頼んだのにこんな有様なので、心がかなり痛んでいるんじゃないかと思う」

一体なぜ、この場所で違法な開発が行われてしまったのか。不動産会社J社の社長である中国人男性が、初めてテレビカメラの取材に応じました。

■J社社長「本当にごめんなさい。オーナーに土地を売ってダメな建設会社紹介して、自分の責任」

カメラの前で謝罪したJ社の社長。巽地区の土地を所有していたJ社は、別荘の建設工事を日本人の友人が代表を務める札幌の建設会社T社に発注しました。社長は、そのT社が発注した面積を大幅に超える違法な伐採行為を勝手に行ったと主張します。

■J社社長「全く意味ないところを切ってる。私も何でそんなに切るかわかんない。彼らは伐採してお金をもらうじゃないですか。J社に請求書が来る、お金払う、そこだと思う。T社は私もオーナーも行政も騙した」

そもそもなぜ、巽地区で別荘の建設を計画したのでしょうか。

■J社社長「最初、10年前かな。友人からの紹介で『40年前の原野商法の被害者たちが土地を売れないので安く買ってくれないか』と」

これは1970年代に出回ったチラシです。当時、巽地区を含む羊蹄山周辺の土地は新幹線の開通で将来価値が上がるなどとうたって高く売りつける原野商法の舞台となり、細かく区分けされて売り出されました。社長は、その被害者らを救うつもりで土地の買い取りを続けた結果、事業ができるほどの広さになったと話します。

■J社社長「北海道大好きなんで自然の土地を安く持ってもいいかと。絶対にここは10年後とか、何か使うと考えて買いました」

そして2年ほど前、中国人の友人2人がこの土地に興味を示し、2棟の別荘の建設が決まったといいます。

■J社社長「ご飯の時に写真見せたら『綺麗だ』とか、冬に現地にも来て『ここに家建てたい』とか。木が好きだから木が多いところで作った」

違法開発の発覚で工事は中断していますが、社長は今後、2棟の別荘を完成させたいと話します。今後、再開はできるのか。鈴木知事は。

■鈴木知事「計画がしっかり法律に基づいたものでないと(工事再開は)できませんから、結構ハードルが高いと思います。何も出てきていないからわかりませんが」

この問題は、外国人の土地所有に対する反発も招きました。いち早く取り上げたのが、「日本人ファースト」を掲げた参政党から7月の参院選に出馬した田中義人氏。Xの投稿は450万回以上表示され、広く拡散されました。

■田中義人氏「勝手に伐採して宅地造成して中国人村を作って、ここに中国を作ろうとしている。こういうのが問題だと言ってるんです」

外国資本による土地買収の制限などを訴え、当選にあと一歩まで迫った田中氏。J社の社長は、田中氏とは以前から関わりがあり、自分のことを知らないかのように振る舞った選挙期間中の言動を批判します。

■J社社長「知り合いなのに巽のことがわかったのに何も教えない。普通なら『あなたたちが発注したのでは』とか聞くじゃないですか、『危ないよ』とか。言わないで自分の選挙のためにそういうことやるのは悲しい」

倶知安町内でスキーや車のレンタル事業のほか、商業施設「クロスロードニセコ」を経営する田中氏。J社は、2020年から去年10月までテナントとしてこの施設の2つの区画を借り、7000万円近くの賃貸料を田中氏に支払ったといいます。

■J社社長「自分が外国人から収入もらって外国人出ていけ。本当に自分ファーストですよ」

我々が田中氏を直撃すると、J社社長とは以前から面識があったと認めた上でこのように話しました。

■田中義人氏「演説で話す際に社名出せないですから、ある程度秘匿性を持って皆さんにお伝えしている。『知り合いがこんなことやってた』って話し方のほうがいいの?」

また、J社をテナントに迎えたのは、当時の社長が現在の中国人男性ではなく日本人だったからだと話します。

■田中義人氏「うちのポリシーとしては日本人が社長の日本の会社にしか貸さない。僕がずっと一貫して言っているのは、日本人がちゃんと外国人を相手に商売をして日本人がビジネスになるならいいんです。地域のコミュニティとか経済がどんどん失われていくような外国資本の入り方は、法でしっかり規制しなきゃいけない」

参院選後、札幌市内では違法開発問題などに対する鈴木知事の姿勢を批判し、「中国に土地を売るな」などと訴える知事のリコールデモが毎週のように行われています。J社の社長はこうした動きが中国を含めた外国人を敵視する排外主義につながらないか、複雑な思いを抱いています。

■J社社長「外国人でも日本人でもいい人悪い人両方いる。友達みんないい人だし日本にずっと住みたい。国は正直関係ないですよ」

インバウンドで賑わう倶知安町で起きた違法開発。高市政権が外国人政策を厳格化する方針を掲げる中、共生の在り方が問われています。

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