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夫婦で20年…大人気レトロ雑貨店がついに閉店 夫が流した涙のわけ 後継者はどうなった? 北海道雨竜町

北海道雨竜町にある雑貨店。70代の夫婦が、長年続けてきた大人気のお店ですが、先月ついに閉店しました。このまま、店はなくなってしまうのか。後継者問題に進展は?

年明け間もない今月5日、底冷えする寒さの中、工房で1人作業をする宮口正道さん78歳。

宮口正道さん:「ゆっくり休むのは、あんまりないかもね。ここに来ている方が休まる。気持ちが」。

先月、20年以上営んできた雑貨店を閉店。その後も、ほぼ毎日、店に足を運んでいます。

宮口正道さん(78)
宮口正道さん(78)

廃校になった中学校の木造校舎を再利用し、2005年に開店した雨竜町のリサイクルショップ「レトロコミュニティ豆電球」。宮口さんが、妻の由己江さんと2人で始め、年間で町の人口の8倍もの人が訪れる人気店となりました。

廃校した中学校の木造校舎を再利用した店舗
廃校した中学校の木造校舎を再利用した店舗

元々、会社員だった正道さん。57歳の時に早期退職をして、店の開業へと踏み切りました。

宮口正道さん:「ここで、なんか思い切りやってみたいなと思って。まず思いついたのは、木工作業を思い切りやってみたい」。

妻・由己江さん:「言葉が出ませんでした。あぜんとしたしね。一瞬の間に、生活はどうなるんだろうとか、ぐらぐら揺れましたね」。

営業は、土、日、月の週3日。店内には、レトロな雑貨が1万点以上、所狭しと並びます。
誰かにとっては不要な物も、別の誰かにとっては宝物に変わる。不思議な魅力が、多くの人を引き付けてきました。

美唄から来た男性:「私のうちの家紋」。
記者:「見つけた時は?」
男性:「ワンダフルKだ。素晴らしい」。

しかし、体力の限界を感じ始めた2年ほど前、宮口さん夫婦は、2025年12月を最後に引退すると決めました。

宮口正道さん:「私としては、雨竜町に住んでもらうか、または近郊でいつでも来れる人が希望。町民とのつながりもできますし。そこがネックなんです」。

雨竜町に住んでくれる人に、店を任せたい。良い人が見つからなければ、廃業です。タイムリミットが迫る中、後継者は見つかったのでしょうか。

雨竜町の「レトロコミュニティ豆電球」。宮口正道さんと妻の由己江さんが、20年以上続けてきた雑貨店、最後の週末を迎えていました。雨竜町長の姿もありました。

雨竜町・白川久純町長:「すごい人気のスポットなので、町のにぎわいの一つになっている。貴重な場所だと思いますね」。

そして、この日、常連客にとってうれしいニュースが。

高橋政人さん、紗絵子さん一家
高橋政人さん、紗絵子さん一家

札幌で映像関係の会社に勤める高橋政人さん、35歳。家族4人で雨竜町へ移住し、4月から店を再開させる予定です。高橋さんも、この店のファンでした。

高橋政人さん:「豆電球が無くなったらいやだなと思って。寂しいのもあるし、自分たちも好きだったので。ぜひ僕らでやらせてもらえるなら、やりたいなと思って決めました」。

妻・紗絵子さん:「このままの雰囲気は保ちつつ、もうちょっと自分たちの興味のあるものを広げていくような感じでお店を続けていけたら」。

「誰でも気軽に集まれる場所を、守ってくれる人」。宮口さん夫婦がこだわり続けた条件にぴったり合ったのが、高橋さんでした。

宮口正道さん:「妻が奥さんを気に入ってくれたので。妻は人を見る目があるから、大丈夫かなって」。

妻・由己江さん:「最初に会った時『よろしくお願いします。やらせてください』って何回か。その時の感じが胸に伝わった」。

札幌から訪れた友人と
札幌から訪れた友人と

宮口さんにとって、最後の営業日。月曜日は、地元の人たちとゆっくり過ごす。いつものように、穏やかな時間が流れます。

開店当初からの常連客で、友達付き合いをするようになった女性も札幌から顔を出してくれました。

宮口由己江さん:「ありがとう」。
札幌から来た女性:「こちらこそ、ありがとうございました。心が癒されて、元気もらえる所。つらい時に来て、こういうのを見ていると、子どもの頃のことを思い出して。幸せな頃があるから、『あ、そういえばどっかで見て、遊んだりしたな』とか」。

涙ぐむ正道さん
涙ぐむ正道さん

いつしか、誰かの心のよりどころになっていた「豆電球」。それは、宮口さん夫婦にとっても同じです。

宮口由己江さん:「心にいっぱいの宝物をもらったような気がします。いろんな方と出会ってね。(正道さんに向かって)おかげさまで、ありがとうございます。豆電球を作ってくれたから今がある。心細かったこともあったんですけど、楽しくできたので、良かったね」。

宮口正道さん:「今考えてみれば、うちの妻にはかなり迷惑かけて。ちょっとそれがね。自分勝手だったのかなって思ったり。今、話を聞いて楽しくやってこられたって言うから。妻がいたから。(涙ぐむ)つらいこともあったんですけど、お互いに助け合ってこられたのが良かったかな」。

町を、人を照らしてきた小さくて温かい明かり。ひとまず、消灯です。

年が明け、引退した正道さんが作っていたのは、壊れたタンスを再利用した本棚。正道さんの木工品は、店に並ぶとすぐに売り切れる人気商品でした。

宮口正道さん:「今は、少しでも次の方に残してあげたいなと思っている」。

次の世代に受け継がれる豆電球の明かり。再び点灯するまで、もう少し。

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