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建設から 大量廃棄へ・・・ メガソーラー2030年問題 耐用年数を超えた太陽光パネルをどうする?

釧路自然保護協会の神田房行会長。
釧路湿原周辺のメガソーラー建設を阻止するため、先月、17万筆を超える署名を市や道に提出。湿原に生息する希少な生き物や自然環境を守るために活動してきました。

太陽光発電施設の建設をめぐる問題。
次に待ち構えているのは耐用年数を迎えた「太陽光パネルの廃棄」をめぐる問題です。

神田房行会長「すでにかなりのメガソーラーが釧路湿原周辺にもできてますので、それらも必ず耐用年数が来ますので、我々も覚悟していかないといけない」

木村隼人釧路市議「釧路市には全国の傾向と異なる大きな特徴がある。それはノンFITの多さです。ノンFITは再エネ特措法の適用外となっています。つまり廃棄と積み立ての準備が国も市もできていません」

去年6月の釧路市議会。
市議が指摘したのは「太陽光パネル」の廃棄費用についてです。

2012年、再生可能エネルギーの普及を促進するために国が導入したのは「固定価格買取制度」、いわゆるFIT制度です。

FITとは事業者が再生可能エネルギーで発電した電力を電力会社が国の定めた価格で一定期間、買い取る制度のことです。

FIT制度の認定を受けている事業では太陽光パネルの廃棄費用の積み立てが義務付けられています。

しかし、国を介さず、事業者が電力会社と直接契約内容を交渉する「ノンFIT」で電力を売る事業者が多くなっています。

ノンFITでは廃棄費用の積み立ては義務付けられていません。
木村隼人釧路市議「2030年以降に廃棄問題時代が来ると言われています、廃棄等の積み立ての準備ができておらず、太陽光発電施設を普及すればするほど、地域への将来への懸念が増大していく」

釧路市が去年10月から施行した条例では事業者に「廃棄費用の積み立て」が義務付けられました。

パネルの廃棄費用は1枚あたり埋め立て処理だと2000円、リサイクルだと3000円程度です。

2030年代半ばには日本全国で最大50トンもの廃棄が出ると推計されている太陽光パネル。
太陽光パネルは20年から30年ほどで耐用年数を迎えます。

国は太陽光パネルのリサイクルを推進しようとしていますが、実は去年、パネルのリサイクルの技術的課題について言及した研究結果が明らかになりました。

道総研・稲野浩行さん「ガラスを再利用しようとして太陽光パネルから取り出した時に、若干でもこういう成分が混じると色がついたりだとか、場合によっては割れたりだとか、泡が残ったりだとか、そういうことが起こりえる」

太陽光パネルはガラスの他に発電する「セル」、発電した電気を通す「リボン」、それらを保護する「樹脂」などの素材からできています。

道総研は太陽光パネルからリサイクルのためガラスを取り出す際、セルに含まれているケイ素などの異物が混ざる可能性に着目。

太陽光パネルのガラスにケイ素を加えて溶かす実験を行いました。

ケイ素が0.1%加わるとガラスは黄色に、1%加わると黒く変色。

異物が少しでも混ざるとガラスが着色してしまい、リサイクルしたとしてもガラスとして再利用するのは難しいことが分かったのです。
道総研・稲野浩行さん「太陽光パネルの場合はパネルの約7割がガラスなので、ガラスのリサイクルが非常に重要になってくると思います。ガラスとしてもう1回使うなら異物を取り除くような特殊な方法で処理する必要がある」

一方で明るい兆しもあります。
トクヤマ・山下丈晴さん(素でリサイクルの過程少し見せて)「セラミックフィルターの中で樹脂を熱分解させるというのが特徴になります。トクヤマだけしかこういった技術は搭載していません」

化学メーカーのトクヤマはリサイクルの技術的課題を解決するため、2019年から南幌の工場で「低温熱分解」という独自の技術を開発してきました。

太陽光パネルをリサイクルする際、樹脂を溶かすには通常800度以上で燃焼させる必要があります。

しかし、600度を超えるとガラスが軟化してしまい、純度の高いガラスを取り出すことはできません。

しかし、トクヤマは太陽光パネルをセラミックフィルターに載せることで500度という低温で樹脂を分解することを可能にしました。

これまでの技術ではリサイクルできてもガラスが粉々の状態となっていましたが、これで純度の高いガラスを1枚で取り出すことができるようになったのです。

トクヤマ・山下丈晴さん「リサイクルする上では品質よく取り出すことで、同じ原料に戻すことができるということが非常に強み。大量廃棄に向けて、もう少し処理能力を高くすることは今後検討していく」

目前にまで迫っている「大量廃棄」の問題。
政府は去年、国会で太陽光パネルのリサイクルを義務付ける法案を提出する予定でした。
しかし…
浅尾慶一郎・前環境大臣「太陽光パネルの適正な廃棄・リサイクルの制度的対応については、制度案の見直しを視野に入れて検討作業を進めることとした」

環境省と経産省は太陽光パネルの製造メーカーらにリサイクルを義務付けようとしていましたが、リサイクルの費用を誰が負担するのか「合理的な説明ができない」として法案の提出は断念されました。

立ち止まったままの政府の対応。
再生可能エネルギーの問題に詳しい専門家は自治体ごとでの規制には限界があり、国が制度を確立させることが必要だと話します。

北星学園大学経済学部藤井康平専任講師「本来、拡大生産者責任という考え方で言えば、製造者に責任が出てくるので、処理責任を負ってもらうとかリサイクルの費用を負担してもらうのが1番いい。これからゴミをどんどん出していくというよりは、リサイクルしていけるものはしていかないと、希少な資源ですのでそこは何らかの手立てを打つ必要があるかなと思います」

太陽光パネル「建設」の問題から「廃棄」の問題へ。環境にやさしいエネルギーの在り方が問われています。

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