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「条件付き運航の指示はなかったので乗客への説明もしなかった」元従業員が証言 知床沖観光船沈没事故裁判

知床沖の観光船沈没事故の運航会社社長が業務上過失致死の罪に問われている裁判で、きょう(16日)元従業員が出廷し、事故当日「条件付き運航の指示はなかった」と証言しました。

高橋海斗記者)
「いま桂田被告が釧路地裁へと入っていきました。これから3人の証人への尋問が行われます」。

2022年4月、知床沖で乗客乗員26人を乗せた小型観光船「KAZUI」が沈没した事故。
運航会社「知床遊覧船」の社長・桂田精一被告は、悪天候が予想される中、運航管理者などでありながら運航の中止を指示せず観光船「KAZUI」を沈没させ、乗客乗員を死亡させた業務上過失致死の罪で起訴されています。

初公判で、弁護側は「事故は予見できなかった」などとして無罪を主張しています。
事故直後の会見で、桂田被告が繰り返していた言葉があります。

桂田精一被告)
「条件付き運航であることを豊田船長と打ち合わせ」、「条件付き運航という話で」、「条件付き運航で出しているので」。

桂田被告は、悪天候が予想されたため、海が荒れた場合に途中で引き返す「条件付き運航」を決めたと主張していました。


きょう(16日)の裁判では、「知床遊覧船」の元従業員の男性が、証人として出廷しました。

中川宙大記者)
「桂田被告は元従業員が証言台に立つまでじっと見つめていました。そして元従業員が話し始めると手元の資料を見るなどしていました」。

男性は事故当日、乗客の受付業務にあたっていました。桂田被告が主張する「条件付き運航」については、こう証言しました。

検察官)
「乗客に条件付き運航の説明はしましたか?」。

元従業員)
「していません」。

検察官)
「なぜですか?」。

元従業員)
「そういう指示はなかったので通常通りにしました」。

男性は、条件付き運航になれば、乗客に知らせる張り紙や払い戻しの準備なども必要になると説明しました。

検察官)
「桂田被告との電話の際に条件付き運航の話をしていない?」。

元従業員)
「していないです」。

検察官)
「なぜ言い切れるのですか?」。

元従業員)
「条件付き運航のときは通常の業務を止めて4つの業務が増えるから」。

裁判所外観裁判はあす(17日)も開かれ、漁業関係者や専門家合わせて4人が証人として出廷する予定です。

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