「覚えていません」繰り返す運航会社社長に 乗客家族が質問「条件付き運航の案内がなかったのは明らか」
2026年 3月 4日 17:44 掲載
知床沖の観光船沈没事故で運航会社社長、桂田精一被告の刑事裁判。
きょう(4日)乗客家族が直接桂田被告に被告人質問をしました。
事故の真相を願う家族の思いとは。
息子の優さんを亡くした父親)
「最後の最後には潔く自分の責任を認めてほしい」
2度と悲惨な事故を起こしてほしくない、そして犠牲となった家族のためにと、きょう遺族らは法廷で直接、桂田被告と向き合いました。
誰にでも優しい性格だったという乗客の1人、優さん。
あの日、優さんは週末の休みを利用し、千葉県から旅行で知床を訪れていました。
優さんは知床の大自然を楽しもうと観光船「KAZU1」に乗船しましたが、沈没事故に巻き込まれ、翌日、知床半島先端付近で発見されました。
息子の優さんを亡くした父親)
「4月の北海道なんて、寒くて海なんてとてつもなく冷たい、あれだけ荒れた海で冷たい中に入って恐怖と…死ぬ間際まで無念だったと思いますよ」
優さんの両親は「潔く責任を認めてほしい」相手がいます。
桂田精一社長「(Q、桂田さん!桂田さん!家族に説明しないんですか?)しますよ!」
運航会社「知床遊覧船」の社長、桂田精一被告62歳。
起訴状などによりますと、悪天候が予想される中、運航管理者などでありながら、運航の中止を指示せず観光船「KAZU1」を沈没させ、乗客乗員26人を死亡させた業務上過失致死の罪に問われています。
きのう行われた検察からの被告人質問。
事故当日の出航をめぐる判断について、桂田被告は「記憶にありません」「覚えていません」などを繰り返していました。
息子の優さんを亡くした父親)
「あれだけの大事件が起きた日のことなのに覚えていないというのは、私には信じられないですね。どれだけいい加減な気持ちで仕事をしていたかがよく分かりました」
事故に巻き込まれた乗客全員のためにー
優さんの父親は被害者参加制度を使って桂田被告に直接質問する被告人質問に参加することを決めました。
息子の優さんを亡くした父親)
「(桂田被告が)安全を軽視していた姿勢ですね。裁判官に伝わればいい。息子だけじゃないんですけども、乗客の方全員なんですけども無念を晴らしてあげたいというその一念です」
高橋海斗記者)
「桂田被告が釧路地裁に入りました。被告人質問最終日のきょうは乗客家族が直接、桂田被告と対峙します」
乗客家族として、はじめに質問したのは優さんの父親でした。
息子の優さんを亡くした父親)
「運航管理者として、特に重要だと思うことを被告の言葉で簡単にお願いします」
桂田被告)
「一番大切なことはお客様を喜ばせて、かつ安全に戻って来ることです」
息子の優さんを亡くした父親)
「海を知らない、船を知らないのに、安全統括管理者を自分が適任だと思った理由はなんですか」
桂田被告)
「運輸局と話している中、できると思いました」
事故後に見つかった優さんのデジタルカメラについて、父親は、
息子の優さんを亡くした父親)
「2年半経って私の息子のデジカメが見つかりました。そこには乗船する乗客が多く映っていました。このニュースを見てどう思いましたか」
桂田被告)
「心が痛くなりました」
息子の優さんを亡くした父親)
「4時間後には26名が、荒れた冷たい海で苦しくて恐怖で無念で、それを想像したことはありますか」
桂田被告)
「はい、夢に出てきました」
息子の優さんを亡くした父親)
「会見で「海が荒れるようであれば引き返す条件付き運航」と何度も発言していました。予定通りの知床岬コースの案内で、見つかった息子の写真からも条件付きの案内がなかったのは明らか。あなたはどう考えているのですか?」
桂田被告)
「説明…実際には実施されていまして…ということでございました」
息子の優さんを亡くした父親)
「条件付き運航はしていいんですか?」
桂田被告)
「その辺は・・・はい、申し訳ないです」
乗客家族による被告人質問は現在も続いていて、次回の裁判では乗客家族の意見陳述が予定されています。



























