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北の海の安全を守る…新型巡視船「そうや」が初めて流氷のオホーツク海へ 船のピンチに新人航海士は 

凍てつく海を進む、釧路海上保安部の巡視船「そうや」。
47年にわたり活躍してきた先代の「そうや」にかわり、去年12月に配備されました。

全長はおよそ90メートル、総トン数およそ4200トン。砕氷能力を持つ巡視船としては国内最大級です。

この新型船には、学校を出たばかりの新人航海士の姿がありました。

乗組員ら
「確認!目よし!耳よし!…」
「…1よし?」
「1よし!」

1週間の航海・乗組員の任務。

「やばい!」
「レッドカード出てるぞ!」

新型巡視船「そうや」がはじめてオホーツクの氷の海へ。7日間の航海にHTBの記者が密着しました。

~出航2日目~

髙橋純暉記者
「午前4時過ぎくらいから、船の傾きが収まってきて、ゴリゴリゴリと、何かを削る音が聞こえてきました。おそらくその時間帯から流氷域に入ったと思われます。」

小樽港を出て2日目、そこは氷の世界でした。砕氷能力のある船にしかできない調査も、今回の航海の目的です。流氷で覆われたこの時期のオホーツク海で、海流の向きや速さ、塩分濃度などのデータを収集します。

船のブリッジに、若い乗組員の姿が。

帯広市出身の前田一樹(まえだ・いつき)さん。およそ5か月前に海上保安学校を卒業、そうやに配属されたばかりの21歳です。

前田さんは航海士です。主に操船や航海の記録を担当しています。

前田一樹航海士補
「1回『海猿』を見たんですよ。これだ!と思って。潜水士を目指して入ったので、救難に関わる、人命救助の部分で、海上保安庁に入りたいなと思って入りました」

巡視船そうやの航海士らは、船が航行している間は3つの班に分かれて勤務します。
今回の航海では、前田さんは正午から夕方の4時までと、深夜0時から朝の4時までの、2つの時間帯が担当です。

ブリッジでの仕事のほかにも、仲間と連携して救助訓練もこなします。

前田さんが普段暮らす部屋を案内してもらいました。

Q住み心地はどうですか?
「よくはないです、よくはないけど船なので仕方がないって感じです」
「本は仕切りがあるが、こういうもの(メジャー)などは、落ちちゃうので、しまっちゃいます」

~出航3日目~

前田さんが当直の時間帯に、船の命運を左右しかねないピンチが訪れます。

「一面真っ白で動けない」

この日の氷は分厚く、そうやは、氷を割ることができず、乗り上げてしまいました。

大室泰典船長
「取り舵面舵でそれぞれ前進かけて、氷塊グリグリやって、隙間を広げようと考えています」

船体を前後左右に振り、氷を少しずつ割って進むことに。後ろから氷が次々と迫ることから、時間がかかると舵やスクリューに当たって、最悪だと、船が動けなくなる恐れも。一瞬も気が抜けない、素早くかつ慎重な操船が求められます。

「取り舵いっぱい」
「面舵いっぱい」

「2.5ノットで徐々に増速中」
「よっしゃ、じゃあ行くか」

氷と格闘すること40分。船は氷を割って進み始めます。危機をなんとか乗り切った前田さんでしたが、さっそく指導が。

「聞こえるように大きい声でないとだめだよ」
「はい」
「知らんかったら聞けよ」
「わかりました」

「めっちゃ緊張した…」
「ミスしてはいけない場面だったので手も震えたんですけど、深呼吸しながら
操船出来たなって思っています。操舵機にめっちゃ僕の手汗ついてます」

この日の夕食はビーフシチュー。前田さん、大役を果たしほっとしたのか食が進みます。

前田さん
「おいしいです」
「Q特盛じゃないですか、ごはん」
「おなかすきました」

航海中は、お酒の持ち込みが禁止されるなど、嗜好品に制限があることから、食事は乗組員の楽しみの一つだといいます。厨房では日々5人がかりで、乗組員34人分の朝昼晩の3食と夜食をつくります。

寺井教悦主計士
「栄養バランスよく、温かい料理を皆さんに1日頑張ってもらいたいと調理させてもらっています」

日々の疲れを取るのに欠かせない「お風呂」。
船内には混雑が起きないように、男女別で複数の浴室が用意されています。

乗組員
「これが楽しみですからね」
「そうですね。癒されますね」
「前のそうやのシャワーはその場で蒸気と混ぜるタイプだったので、熱かったり冷たかったり…」
「思い出した、そうだった」
「調整シビアだった」

初めて、氷の海での調査任務にあたった前田さん。
自身の力不足を受け入れ、今後の成長を誓いました。

前田さん
「怒るのも期待してくれているあらわれだと思うので、そういうところを仕事で返せるように精進してこれからやっていきたいなと思っています。」

大室泰典船長
「(前田航海士補は)立派にやってくれましたよ上手くいう通りに操船してくれた。上出来です。今回は、観測・新「そうや」の性能検証乗組員の操船慣熟も兼ねてましたが、思った以上の成果を得ることができました」

たとえ氷の海であっても。
北の海の安全を守る、巡視船そうや。新たな船での航海は、まだ始まったばかりです。

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