「寒かったろ!すぐ引き揚げてやるからな!」観光船事故から4年 叶った家族の願いと救助にあたった隊員の思い
2026年 3月23日 19:01 掲載
依田英将アナウンサー)
「いま消防などが目隠しを始めました。このヘリには行方不明者が乗っていたと思われます」。
沈没事故の発生から5日、自衛隊などによって相次いで救助された乗客。
家族の願いが叶い、当時、救助にあたった海上自衛隊の隊員と先月、対面を果たしました。
乗客を救助した 海上自衛隊高橋大輔さん)
「『寒かったろ!すぐ引き揚げてやるからな!』と声をかけて」
隊員が乗客の家族に伝えたあの日の思いとは…
海上自衛隊の掃海艇「いずしま」。事故があったあの日も、函館港に停泊中でした。
2022年4月23日、知床沖で観光船「KAZUI」が沈没した事故。20人が死亡、いまも6人が行方不明となっています。
雲戸和輝記者)
「消息を経ったカシュニの滝の沖合で観光船「KAZUI」とみられるものが発見しました。現場の海上では海上自衛隊の船も確認できます」。
KAZUI発見の1報は、事故から6日後のこと。函館から派遣された掃海艇「いずしま」が、水中カメラで「KAZUI」の船体を発見しました。当時、「いずしま」は船だけでなく乗客2人も救助しています。そのうちの1人は、道外に住む男性の弟です。
「お礼を伝えたい」
発生から4年を迎える前にその願いが叶い、捜索にあたった隊員と会えることになりました。隊員は沈没現場に向かう途中で乗客を発見したと当時の状況を振り返りました。
乗客を発見した 海上自衛隊荒関精さん)
「その日は海は穏やかでした。なので遠くからでも波とかがなかったのでオレンジ色の救命胴衣だったり、ある程度どんなものかは確認できる状態だった」。
「いずしま」は、本来、海中に残る機雷の除去が主な任務。慣れない知床の海域での捜索は、困難を極めました。それでも隊員たちは「早く助けたい」という一心で冷たい海に飛び込み救助にあたりました。
乗客を救助した 海上自衛隊高橋大輔さん)
「同僚が1人いたんですが気持ちは熱くなっていて、もうちょっとで近づいてくるときに「寒かったろ!すぐ引き揚げてやるからな!」と声をかけて」、「私はもう飛び込んであげて」、「引き揚げて」
、「冷たかったのでもう血の気は引いて真っ白でしたけど寝ているときと表情は変わらなかったと思います」。
依田英将アナウンサー)
「このヘリには行方不明者が乗っていたと思われます」。
救助された乗客は海上保安庁に引き渡され、死亡が確認。その後家族と対面しました。
弟を亡くした男性)
「船に乗った弟は知床で勉強で行っていた研究だったと思う。それぐらい知床のことが大好きな子でした」。
「もし見つからないとしても本人としてもそこに骨を埋めることになってもある程度しかたないと思ったんですけど」。
「お墓に入ることができています」、「本当におかげさまでありがとうございます」。
乗客を救助した 海上自衛隊高橋大輔さん)
「亡くなられたご家族の分まで幸せに暮らしてください」。
事故からまもなく4年、ようやく叶った家族の願い。
弟を亡くした男性)
「隊員の方にはもう本当に感謝しかないです。本当にありがとうございます」。
「(話を聞いて)私の弟らしいなと彼らしいなとは思いました。知床が好きなところだったのでちょっと波に揺られてゆっくりしてそれから帰ってきてくれたんだなと思いましたね」。



























