3年ぶりに交差点へ がんと闘いながら通学路で子どもたちを見守り続ける80歳女性の思いとは?室蘭市
2026年 4月15日 20:27 掲載
金谷ヒロ子さん80歳。北海道室蘭市で20年以上前から通学路の交差点に立ち、子どもたちの登下校を見守っています。
■金谷さん「私が立ってるところに(車が)突っ込んで三人亡くなった。これは放ってはおけないと思って」「みんなを少しでも事故から守って平和に暮らせるような仕事をちょっと手伝いさせてもらえるなんて、すごく嬉しいですよね」
室蘭市立翔陽中学校の竹迫慎司教頭は「学校だけではなかなか地域で見ることができないところを見ていただいてる、非常に貴重な人材です」と金谷さんの活動に感謝の気持ちを伝えます。
3年前、金谷さんは体調に異変を感じ、医師から卵巣のがんと伝えられました。すでに全身に転移が進んだ末期の状態でした。
■金谷さん「3か月で10キロ痩せて、あわてて病院行った。そしてがんが見つかった。抗がん剤の副作用で手足の痛みと関節の痛みと手のしびれ…力が入らなくて」
副作用がひどく交通安全指導は続けられなくなりました。それでも4月、金谷さんは新学期のスタートに合わせて、3年ぶりに黄色い旗を持ち、東町5丁目の交差点に戻りました。金谷さんには「みんなに会いたい、みんなの元気な顔が見たい」という強い思いがありました。
4月7日、室蘭市内の小中学校で新学期が始まりました。自宅から歩いて5分あまりのところにある交差点に向かいます。
■金谷さん「何年生になった?」
■小学生「3年生」
■金谷さん「3年生!早いな~。もう3年生になった。上級生になったら1年生のお世話をしないといけないね。大丈夫?がんばれる?がんばってね」
■記者Q「金谷さんのどんなところ好き?」
■小学生「優しいところ。いっつも待っててくれるとこ。金谷さんがいたら二人でお話しできる」
■中学3年生「すごい明るくて優しい人です。立ってくれてた方が安心します」
■金谷さん「朝ママに怒られてくる子もいるんです。おはようって声掛けるとそれで元気になれるって作文に書いてくれた子がいました」「元気のない子がぱっと目を輝かせるとよかったと思いますよね」
3年ぶりの交差点はあいにくの天気でした。冷たい雨は体力を奪います。それでも傘をさして視界が悪くなった子どもたちに細心の注意を払わなければなりません。
■金谷さん「こらこらこらこら~!赤だよ」
「こらこら止まって」「(この交差点は)信号無視結構あるので」
(自宅に戻って)
■記者「久々の活動どうでしたか?」
■金谷さん「楽しかった。特に4月はちっちゃい子が学校入りますよね、1年生。ああいう子たちに改めてきちっと交通安全の意識を植えつけてあげたい、身をもって助けてあげたい。私の生きがいは、これだって今日はっきりわかりました」
金谷さんは3年前、末期がんと診断されて以来、抗がん剤治療が続いています。金谷さんは「完治は難しいので、このまま抑えて、何年か生きられたらって自分の希望としては4、5年生きたいって思っている」と話します。
■製鉄記念室蘭病院 上田麻結医員「正直状況としてかなり厳しいというのは変わらない」「やっぱり人のためにこれからも頑張りたいという気持ちとか、
ボランティア頑張りたいというのがあるからね」
■金谷さん「一人で生きてるんじゃないよ。みんなと関わりあって生きているんだよ。生かされているんだよって身をもって(感じる)。だから私も誰かと関わりたいと思って、絶対めげない最後の最後まで頑張りたい」
金谷さんは夫と娘の3人暮らしです。金谷さんの闘病が始まってからは近所に住む、妹の美喜子さんも毎日、様子を見に訪れます。
■妹・村井美喜子さん「やっぱり頑張り屋だね。なんでも一生懸命やりすぎるの。私抑えるんだけど抑え効かないんだわこの人」
金谷さんは学校にとっても頼りになる存在です。
■室蘭市立翔陽中学校 竹迫慎司教頭「子どもたちに分け隔てなく声かけできるって、なかなかこのご時世できることじゃないなと思っています。新年度がまたスタートしましたので、その子たちの安心安全を守っていただける強い味方が帰ってきてくれて、本当に安心しております」
この日は春の交通安全運動の街頭啓発です。
■金谷さん「今これからね、交通安全の啓発活動に。安全週間ですので」
■記者「体調はいかがですか?」
■金谷さん「ばっちり!(笑)」「死ぬまで現役で、よぼよぼでも見守りしながら地域の安全活動に奉仕したいな。みんなが安心して暮らせる、交通も防犯も兼ねて見守ってやりたいな」
■記者「金谷さんにとって、子どもたちとはどんな存在ですか?」
■金谷さん「自分の孫です。すべて自分の孫と同じ気持ちで子どもたちを守ってあげる。それ以外ないですね。おばあちゃんの心です」




























