海外メディアも釧路港に集結 商業捕鯨再開の舞台裏
6月29日、日本はIWC(国際捕鯨委員会)から脱退し
そして7月1日からおよそ30年ぶりに商業捕鯨を再開した。
5隻の捕鯨船が出航した釧路港には
100人ものメディアがカメラの列をつくり、
その中には欧米メディアの姿も多くみられた。
諸外国の、捕鯨そのものに対する反発は根強い。
その中で、漁業関係者は「30年間我慢し続けた。念願の再開だ」と喜びを隠さなかった。
かつて日本一の水揚げを誇った道東の港町から
商業捕鯨再開初日の舞台裏をドキュメントでお伝えする。
残念な状況...遺骨返還巡りアイヌ民族同士の新たな分断も
アイヌ民族の遺骨の返還を求める裁判は6件起こされ、100体が故郷に戻りました。しかし全国12の大学にはいまも1574体が残されたままとなっています。これらの遺骨はいったいどうなるのでしょうか。 アイヌ文化復興の拠点として来年4月、胆振の白老町にオープンする民族共生象徴空間。この敷地の一角に国は慰霊施設をつくり、全国の大学に眠る遺骨を集める計画です。そもそもアイヌ遺骨の多くは、明治以前から昭和にかけて国立大学の研究者らがアイヌ墓地を掘り起こし、大学へ持ち帰ったものです。アイヌの人々は40年以上も前から遺骨を還すよう求めてきましたが、国や大学は聞き入れず、学内に保管し続けてきました。アイヌ民族には、亡くなった人の魂をその地域で弔うという風習があります。返還運動は裁判に発展しました。 しかし今、遺骨の返還をめぐり、アイヌ民族同士で新たな分断が生まれてしまっています。遺骨を取り戻し、できるだけ早く地域で弔いたいという考えの人と、象徴空間に遺骨を納め誰の遺骨かを調べてから返還を受けるべきという考えの人が対立しています。国は遺骨が持ち出された地域などの情報をホームページで公開し、地域返還の受付を始めましたが、返還を受けられるのは確実に慰霊できるかなど国の審査を通った団体に限られます。アイヌの人々に新たな分断が起きている背景について市川守弘弁護士は「そもそもアイヌの人々には遺骨を還してもらう権利がある。国立大学が持ち去った遺骨なのに、返還するアイヌの人々を国が審査するというおかしな矛盾が起きている。こうした矛盾が、アイヌの人々に混乱や対立を生み出している」と指摘しています。
色丹島で戦後初のアイヌ伝統儀式による供養
5月25日に色丹島に到着したビザなし訪問団。
その墓参に特別な思いを持った人がいました。
札幌アイヌ協会の多原良子さんです。
色丹島に、千島列島に住んでいたアイヌ民族の墓があると聞いて、初めて訪問団に参加しました。多原さんは「アイヌの御霊にお参りをきょうここまで来てできて嬉しい」と語ります。そこで元島民からアイヌの人々との不思議な縁を聞くことになりました。
交流を主催する団体によりますと、アイヌの伝統的な儀式による慰霊は過去の記録に残っていません。戦後、初めてアイヌ様式による供養となりました。
明治政府によって色丹島に強制移住させられた歴史をもつ
千島アイヌを慰霊するためのメノコイチャルパを取材しました。
英国で世界最大「マンガ展」 北海道が舞台のゴールデンカムイも
鉄腕アトムにドラゴンボール、ワンピース...。時代を超えて並ぶ名作の数々。大英博物館で開催されている「マンガ展」には、およそ50人の作家の240もの原画が並びます。これは海外で開催される「マンガ展」としては過去最大規模ということです。大英博物館学芸員のニコル・ルーマニエールさんは「(イギリスでは)若者は漫画を読んでいて、人気が増してきているが、(まだ)理解が浅いなと思います」と開催理由について話しました。明治後期の北海道を舞台にした「ゴールデンカムイ」は、アイヌ民族の少女が活躍するサバイバルストーリーです。大英博物館入口に掲げられた「マンガ展」の巨大看板のキービジュアルで「顔」になっているのが、「ゴールデンカムイ」の人気キャラクター・アシリパです。「マンガ展」に関心を寄せた原作者・野田サトルさんが書き下ろしました。ルーマニエールさんに、どの作品が好きか尋ねると「様々な作品が好きですよ。正直、ゴールデンカムイが好きです」と話しました。学芸員のルーマニエールさんは、今回の仕掛人の一人で、過去に日高の平取町のアイヌ工芸家のもとを訪れた際に、たまたま見た原画に一目ぼれし、ゴールデンカムイの大ファンになったそうです。ルーマニエールさんは「アイヌの文化は品があって面白くて、とても勉強になります。大事なのは、アイヌ民族には色々な"チャレンジ"がある事だ」と話しています。
被災者に寄り添う天皇皇后両陛下【平成ドキュメント】
北海道の「平成」を振り返る
「平成ドキュメント」。
南西沖地震や有珠山噴火、
平成の北海道を襲った
自然災害。その度に
人々を励ましたのは
天皇・皇后両陛下でした。
平成の時代に北海道を訪れた両陛下のお姿
そして、励まされた人々を特集しました。
平成ドキュメント 「偽」に踊らされた平成
平成の時代、次々と発覚したのが「食品偽装」だ
苫小牧の食肉加工業者ミートホープでは牛肉と偽って様々な肉を卸していた。
雪印 赤福 船場吉兆 名門企業にまで及んだ食品の偽装
消費者の信頼は裏切られた。
ミートホープの内情を告発した人物にカメラは迫った。
勇気ある内部告発を行ったその後・・・彼の人生は?
消えてゆく黒いダイヤ
国内唯一、いまも坑道で石炭を掘っている釧路。 新年度になりこの石炭の火が家庭から消えることに なりそうです関係者は口々に、こう言います。 「時代の流れ」だと
釧路石炭販売は家庭用の石炭を配達しています。石炭は灯油に比べて安価で暖かいとファンも多いのですが、在庫限りで販売を終了します。また石炭を運ぶ石炭列車も運行を終了。釧路から消えてゆく黒いダイヤをカメラが追いました。
夕張支線 ラストラン
北海道の石炭産業を支えてきた夕張の駅。
もう列車は来ません。
「ありがとう、さよなら」
新夕張と夕張を結ぶJR石勝線・夕張支線は、1892年石炭輸送を担うため開業しました。しかし、炭鉱の閉山で利用者は激減年間2億円もの赤字路線となり、去年正式に廃線が決まりました。
南清水沢駅の名物駅長、
沼ノ沢駅のレストランの主人。その廃線の長い一日を追いました。
平成ドキュメント 函館ハイジャック事件
平成7年(1995年)羽田発の全日空機がハイジャックされ、函館空港に着陸した。
乗員乗客365人が人質となった。
犯人は「オウム真理教 麻原教祖のためハイジャックした」と話した。
夜明けまでわずか20分。
日本の警察史上初めてハイジャック機に強行突入した機動隊員が緊迫の瞬間を語った。
激動の平成ドキュメント 『たくぎん 最後の頭取』
開拓とともに歩んできた「北海道拓殖銀行」。戦後の高度経済成長、バブル景気など経済シーンをリードしてきた「メインバンク」がまさかの破たん。「読みが甘かった」と話すのは河谷禎昌さん(84)。当時の頭取で、その後特別背任の罪で実刑判決を受け8年前に出所した。破たん劇の真相と、その後の逮捕・服役までに至る胸中をカメラの前で語った。