「李下に冠を正さず」ということわざがある。人から疑われるような行いは初めからするな！という意味である。平成ノブシコブシがロケのたびに北海道にやってくる際、彼らは空港で黒いサングラスをかけたり、マスクで顔を隠したりして芸能人と疑われるような格好は決してしない。毎月数回、新千歳空港で出迎えるが、近所のお兄ちゃんそのままだ。
　まず徳井はTシャツにGパンで携帯電話をいじりながらゲートに現れる。おいおい観光客みたいじゃねえか！ススキノのおいしいスポットを探しているのか？と言いたくなるが
真剣に携帯を見つめているので、仕事かなと思いツッコミの剣を下げる。そして吉村。彼はTシャツに短パンにサンダルだ。先月下旬もこの格好だった。おいおいここは空港だぞ。スーパーに買い物に来てんじゃねーぞと言いたくなるが、もしこのファッションが彼の一張羅だとすれば心を傷つけてしまうと思い、またしてもツッコミの剣は下げたままになる。
2人はえらぶったりはしない。カメラが回らないと絶叫もしない。素直だ。初回放送分をプレビューして、自分たちのトークや動きを研究している。「カメラに背中ばかり向けてますね、すみません」と吉村はチーフD窪井に反省の弁を述べシュンとしていた。しかし、衣裳に着替え、カメラが回り始めると2人は大変身する。超ハイテンション男の絶叫に天性のツッコミが冴え渡り、取材対象者をいじりまくり笑いに変える。
　そんな平成ノブシコブシ初の「冠」番組ヨルオシ！。これから続く芸人人生の中でも、恥じることのない思い出に残る番組になるであろう。