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2023年 統一地方選挙について、HTB、朝日新聞が協力して情報をお伝えします。

2023統一地方選挙

選託 札幌市長選 3人が出馬表明 「五輪招致の是非」それぞれの主張は

2023/03/23(木) 00:00|HTBニュース 掲載

3月26日に告示を迎える札幌市長選。これまでに現職と新人2人が出馬を表明しています。3人とも争点に掲げているのが2030年の冬のオリンピック・パラリンピック招致の「是非」です。




 小学生「将来はクロスカントリーでオリンピックに出て優勝したいです。」

 先月、札幌で開かれたクロスカントリーの大会。会場には長野オリンピック金メダリスト原田雅彦さんの姿も。

 主催したのは札幌市や経済界などで作る実行委員会。オリンピック・パラリンピックの招致に向け、市民に関心を持ってもらうための場とするはずでしたが...。

 立田祥久記者:「オリンピックの招致をPRするブースは、どこにもありません。」

 2021年の東京大会のあとに発覚した汚職、談合事件。

 札幌市・秋元克広市長(2月10日):「これまで招致活動を進めてきた立場としても大変に憤りを感じざるを得ない。」

 事件を受け、札幌市は市民の機運を高める活動の休止を余儀なくされました。

 札幌市民:「どれだけお金を使うのか、札幌に招致する意味があるのかなと」「(1972年札幌大会を)テレビで見ていて感動したのでぜひまた札幌でやってもらいたい。クリーンなオリンピックを期待しているんですけど。」

 招致が実った場合、札幌市の経費負担はおよそ490億円に及ぶと試算されている一大プロジェクト。今回の市長選挙はその「招致の是非」が大きな争点になっています。

 現職の秋元克広さん。

 先週末には札幌で開かれたパラ・ノルディックスキーのアジア大会を視察。会場は招致計画で競技会場の一つとなっている白旗山競技場です。

 男の子:「頑張れー!」
 秋元市長:「おお、大きな声だね。頑張れー!」

 子どもたちと一緒に冬のスポーツを楽しむ姿を見せました。

 自民や民主など与野党・双方から支援を受け、招致については市議会の後押しも受けてきた秋元さん。

 IOC=国際オリンピック委員会が開催地決定の際に重視する「市民の理解」についてはー。

 秋元市長(3月8日):「まずは透明性、公正性の高いクリーンな大会の計画案を策定し、市民の皆さまの意向を確認したうえで招致を目指して参ります。」


 高野馨さん:「地下鉄広告だとかそういったものにも、まだまだ広告物ありますもんね。違和感、感じますよね」

 新人の高野馨さんは招致反対を前面に掲げています。

 札幌市役所出身の高野さんは、南区長や市民文化局長など市の要職を務めた経験を持っています。

 選挙に挑むのは初めてです。

 高野馨さん:「私たち反五輪なんで、五輪マークを団体のマークにつけたいんですけど、それは問題ないですね?」

 招致の反対を掲げる政治団体を設立し、特定の政党からの支援は受けずに選挙を戦います。

 アパートの一室に事務所を構えました。

 高野馨さん:「もしかしたらここでひと風呂浴びるかもしれない。疲れて。うちのお風呂よりずっといいですもん。」

 SNSで募った支援者らと草の根の活動を展開しています。

 高野馨さん:「素人なもんだから、そういった意味では大変ですよ。手作りでやる選挙になりますが、そこは覚悟してやるしかないですね。」

 同じく招致に反対する新人の木幡秀男さん。

 木幡秀男さん「ぶっちゃけた話をすると、今回、誰が出るんだろうねというのは内心思っていました。まさかそれが自分だなんて思っていませんでした。」

 共産党などで作る市民団体からの要請を受け、出馬を表明したのは今月に入ってからでした。

 出遅れを挽回するべく、いち早く街頭へ。

 木幡秀男さん:「無駄な大型公共事業、箱物開発、これをきっぱりと中止にして、暮らし、福祉優先の市政に切り替えていくことが大事です。」

 医療現場でケアマネージャーとして働いてきた経験を生かし、福祉政策の充実を訴えます。

 木幡秀男さん:「きのう名刺ができたのでよろしくお願いしたいと思います。まずは知名度がないので私自身は。主張を知ってもらうことが大事だと思っています」

 先週行われた公開討論会では、3人がオリンピック招致に向けた持論をぶつけ合いました。


 秋元克広さん:「これから人口減少期に入ってくる札幌、北海道のなかで、外からどうやってお金を稼いでくるのかというのが大変重要になります。その地域のPRが開催前からずっと続く効果は非常に大きい。」

 高野馨さん:「わずか2~3週間のイベントのために莫大な経費を使うのは、やはり税金の無駄だと思っています。終わってしまえば思い出に変わるだけで、それを契機に変化は期待できない。」

 木幡秀男さん:「平和とスポーツの祭典が、談合と汚職の祭典に変わっているという現状。2030年の冬季オリンピックについては、私は現時点では白紙撤回すべきだと思っています。」

 現職は「推進」、新人2人は「反対」と主張が分かれるオリンピック招致。

 政治学の専門家はー。

 北海道大学 佐々田博教 教授「何を目標として何を達成したくてオリンピックを開きたいのか。負担した以上のメリットを得られるかどうか、コストパフォーマンスについても真剣に考えていく必要もあると思います」

 札幌市長選は26日に告示されます。