【選託】 長引く物価高で危機 学校給食に酪農...それぞれの現場では
2023/04/06(木) 21:44|HTBニュース 掲載
6日から新学期です。長引く物価高がいま、学校給食の現場にも影響を与え始めています。
■小学生:
「麺類で一番好きなのが給食の中でのうどん」「時にはアイスクリームとかゼリーとかも出る」お昼休み、子どもたちが大好きな「給食」の時間。
メニューからデザートが消える?そんな日も遠くないかもしれません。
■江別市立学校給食センター・三浦おりえ栄養教諭:
「この日の価格の大体の予想がここに出てくるんですよ。」
新学期が始まる少し前、江別市の給食センターでは職員が献立づくりに頭を悩ませていました。
江別市の給食費は小学校中学年で1食292円ですが、この日は299円と予算をオーバーしました。
■江別市立学校給食センター・三浦おりえ栄養教諭:「安価だけでは学校給食は決められないところがあって吟味しながら産地や品質や色々な形態などを考えながら献立を作っていきます。」
様々な食材や調味料などが平均で1割ほど上がっているという学校給食の現場。そこにさらに追いうちをかけているのが千歳市で発生した鳥インフルエンザです。
■江別市立学校給食センター・東定利栄養教諭:
「メーカーや業者の方から納入が厳しいかもというお電話は昨日(先月29日)から入っていますね。卵の他にも鶏肉自体も上がってきているのでなかなか献立作成では工面するのが大変です。」
限られた給食費の中で定められた栄養価を満たせるよう試行錯誤を繰り返しています。
これまで子どもたちがパンを食べやすいように、とつけられていたジャムは姿を消し、高い野菜の代わりにもやしを使う頻度も増えました。
子どもたちが楽しみにしているデザートも月に1、2回出すのが精一杯です。
■江別市立学校給食センター・東定利栄養教諭:「食材の高騰分を補填して頂けるような仕組みや取り組みがあればいいなと思っていますね。」
給食ではおなじみの「牛乳」を生産する酪農の現場も危機に直面しています。
■舘山祐介さん:
「いやーね...経営やっていけないです。経営成り立たないです。」
道東の鶴居村でおよそ100頭の乳牛を飼うこちらの牧場。1日400キロ以上の飼料を使いますがロシアのウクライナ侵攻の影響などを受けた飼料価格の高騰が経営を圧迫しています。
■舘山祐介さん:
「(月に)180万くらい/安い時期で120~130万、差額分かりますよね。50万とか40万とか。」
飼料の他にも機械や設備の電気代や燃料代も2割ほど上昇。少しでも多くの生乳を絞り収入を得たいところですが、乳製品の消費は落ち込んでいて、生産を抑えねばならない状況が続いています。
そのため、時には愛情を込めて育てた牛を売りに出すことも...かつてない苦境に立たされている日本一の酪農王国・北海道。
■舘山祐介さん:
「いい未来が来るのを待ちながらやってはいるがなかなか難しい。」
給食の食材や酪農のエサ代などの値上がり、こうした物価高騰などへの対策として、知事選の候補者はそれぞれこのような公約を掲げています。
▼門別芳夫さん
・世帯主に月1万円、扶養家族1人に月5千円給付
・農家や酪農家の支援を拡充する
▼鈴木直道さん
・生活困窮者への支援や雇用の確保
・自給飼料の生産拡大をすすめるとしています
▼池田真紀さん
・学校給食費の実質無償化
・飼料、肥料、燃料などの価格高騰への支援策を強化するとしています
▼三原大輔さん
・この点に関して主張はしていません。